不測の怪我さえ前向きに受け止める本田圭佑。「期待を込めて、外から見たい」

2016年06月02日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「自分の筋肉の状態を全部見ることができている」。

左膝裏を負傷している本田。冒頭15分だけ公開された試合2日前の練習で、ピッチにその姿を見せたが、別メニューで調整したようだ。(C)JFA

 キリンカップを控えるトレーニングで、本田圭佑のプレーを見たヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「こんなにパフォーマンスが良い本田を見たことはありません」と語っている。それだけに、今回の怪我は非常に残念であり、本人も悔しい想いをしているはずだ。
 
 指揮官との個人面談では、「攻撃の選手として高いものを要求された」という。それは、所属するミランで求められているものとは「少し違う」が、攻撃の部分で自分にできること・できないことはある程度、整理がついているなかで、「整理をつけすぎると、自分で限界を定めてしまうことにもなる。監督はそれを取っ払ってくれる」だけに、本田もハリルホジッチ監督には信頼を寄せている。
 
 さらなる進化を追求する本田は、ここでしばし足踏みを余儀なくされてしまったが、ただ、負傷したことで改めて分かったこともある。
 
「個人的にはすごく、今回の怪我も良い機会だなという風に思っている。ボールでサッカーをしているだけでは取り組むことのできないトレーニングができる。左右のバランスとか、自分の筋肉の状態を全部見ることができているので。それを見直している最中というか、それは来季に向けても言えることですね」
 
 自身の不在となるチームがどんな戦いを見せるのか。それもある意味、楽しみな部分でもあるようだ。
 
「そもそも、僕が入るか入らないかで、そんなに(戦いぶりが)左右されているようでは、2年後のワールドカップでは結果が残せないでしょう。むしろ、違うプランで"こっちのほうが良いよな"っていうぐらいの形が見られないと、正直、チームとしてのオプションの数が少なすぎるのかなと感じています。そういう期待を込めて、外から見たい」
 
 槙野智章も、本田を「精神的支柱の選手」と認めながらも、「(ブルガリアとの)初戦には出られないかもしれないけど、彼がいなくなった時に大きく変わるようだと良くないし、試されていると思っている。逆に、(本田が)出られない枠のところで、出られる選手にはチャンスだと思う」と語っている。
 

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