【玉田圭司×名良橋晃|元日本代表が語り合う高校サッカー】昌平新指揮官の志向を象徴するシステム変更。「プロに近い」リーグ戦では「対策を練るのもすごく楽しい」(中編)

2024年09月20日 志水麗鑑

対戦相手をスカウティングするのも楽しい

昌平の玉田監督(左)と、インタビュアーを担当した解説者の名良橋氏(右)。ともに千葉県出身の同郷だ。写真:志水麗鑑

 ワールドカップにも出場した元日本代表の玉田圭司が、昌平を率いてインターハイ制覇。しかも監督就任からわずか4か月で、チームにとっては初の全国優勝という箔もついて――。

 新指揮官の玉田監督は、いったいどんな指導で昌平を日本一に導いたのか。小さくない興味をしっかりと深掘りするべく、インタビュアーを担当してもらったのは、同じくワールドカップを経験した元日本代表の名良橋晃氏。解説者のなかでも屈指の高校サッカー通で、インターハイも現地取材している、打ってつけの聞き手だろう。

 世界を知るワールドカップ戦士によるスペシャル対談企画、元日本代表が語り合う高校サッカー。中編のテーマは、現代の高校サッカーを取り巻く環境だ。整備されたリーグ戦、中高一貫指導などに、玉田監督は自らの高校時代と比べて何を感じるのか。「プロに近い」という高円宮杯プレミアリーグでは新指揮官の志向を象徴する采配も見せている。

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名良橋 今大会のインターハイは、昌平、神村学園、帝京長岡、米子北と高円宮杯プレミアリーグ(以後、通称のプレミアで表記)に所属するチームがベスト4を独占しました。結果から見てもリーグ戦の重要性が明らかですが、監督としてプレミアを戦い、何か感じることはありますか?

玉田 大きなやりがいを感じています。僕らの高校時代にもプレミアのようなリーグ戦があれば、もっとレベルの高い試合を毎週できて、選手の個も伸びただろうなぁと。羨ましいくらいですよ。

名良橋 高体連とJクラブの下部組織がリーグ戦で対戦できるのは、毎節いろんな違いが見えてきて面白いですよね。

玉田 そうなんですよ。だから毎試合、対戦相手をスカウティングするのもすごく楽しくて。プレミアは特徴があるので、対策を練るのもすごく楽しい。インターハイはスカウティングする間もなくずっと試合だったから、自チームのコンディションや戦い方にフォーカスしましたけど、プレミアは1週間間隔で試合があるので対策を練る時間があり、プロに近いですよね。

名良橋 試合へのアプローチ方法が?

玉田 そうです。

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