【移籍専門記者】新生コンテ・チェルシーの強化計画。ナインゴランやイグアインを狙う一方で、アザールやD・コスタを放出?

2016年05月12日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

最大の課題はディフェンスラインの立て直しだ。

今夏のEURO2016を最後にイタリア代表監督の座を退き、チェルシーの指揮官になることが決まっているコンテ。闘将のプレミアリーグ挑戦に注目が集まる。(C)Getty Images

 半年前から英語のレッスンを続けて、今や十分フルーエントに話せるようになった。強い野心、明確なアイデア、そして成功できるという確信は常に持ち続けてきた。心配はどこにあるのか? 来シーズンからチェルシー新監督に就任するアントニオ・コンテ(現イタリア代表監督)は生まれつきの心配性で、現状に満足して落ち着いたことなど一度もない。
 
 いずれにしても、EURO2016が終わって新シーズンが始まれば、プレミアリーグにはクラウディオ・ラニエリ(レスター)、フランチェスコ・グイドリン(スウォンジ―)に続いてもう1人、新しいイタリア人監督が誕生する。コンテはカルチョの十八番である緻密な戦術的秩序と守備組織をチェルシーに浸透させる一方で、プレミアリーグ独特のハイインテンシティーに適応しなければならない。
 
 では、「コンテ・チェルシー」はどんなチームになるのだろうか? まず必要なのは、新たなリーダーを見出すことだ。長らくキャプテンを務めてきた重鎮ジョン・テリーは今夏で契約満了を迎え、去就が不透明。仮に残留しても、不動のレギュラーとして起用しない限り、リーダーシップを発揮するのは難しい。コンテがいかなる決断を下すのか、注目が集まる。
 
 オーナーのロマン・アブラモビッチは、チームの若返りを進めて新たなサイクルを開きたいと考えている。したがって、今夏のメルカートではすべてのポジションがテコ入れされることになるだろう。
 
 何よりの課題は、昨シーズンの32失点が今シーズンは52失点(37節終了現在)まで増えたディフェンス。「まずは失点しないこと、得点はその土台によって成り立つ」をモットーとするカルチョで育ったコンテが、この弱点を見逃すわけがない。
 
 CBの新戦力候補はレオナルド・ボヌッチ(ユベントス)、ディエゴ・ゴディン(アトレティコ・マドリー)、そしてアントニオ・リュディガー(ローマ)。コンテの今のお気に入りはリュディガーで、3月のドイツ対イタリア戦(親善試合)で間近に観察し、そのパワーとスピードに改めて惚れ込んだ。自分の手元において日々のトレーニングの中で戦術を教え込めば、ワールドクラスに成長しうる素材だと考えているようだ。

次ページ中盤はナインゴラン、ポグバ、ビダルのうち2人を要望。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事