【韓国メディアの視点】ACLラウンド16の日韓対決! FCソウルにとって嫌な浦和の3人とは?

2016年05月10日 慎武宏

大手ポータルサイトは「ACL16強に絶対王者はいない」

FCソウルのなかで最も日本人に馴染みのある名前と言えば、チェ・ヨンス監督(左)かもしれない。J1で88試合・55得点をマークし、日韓戦でも日本の前に立ちはだかってきた。彼が率いるチームを浦和は打ち破れるか。写真左:Getty Images/写真右:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 グループステージが終了したACL。韓国勢は浦項スティーラーズと水原三星がグループステージで敗退したが、FCソウルと全北現代がそれぞれグループ首位で決勝トーナメント進出を決めたこともあって、「全北とソウル、ACLグループ1位で"Kリーグは生きている"ことを証明」(スポーツ新聞『スポーツ・ソウル』)と、韓国メディアも面目躍如といった格好だ。
 
 東アジア勢は韓国2、中国2、日本2と3か国ともに2クラブが決勝トーナメント進出を果たしたが、「ACL三国志のK・C・J、優劣はつけらなかった」(サッカー専門誌『ベストイレブン』)ともしている。
 
 そんな韓国メディアの反応の中で目を引いたのが、大手ポータルサイト『NAVER』に掲載された「ACL16強、絶対王者はいない」という記事だ。最近5年間の東アジア勢4か国(韓国、中国、日本、オーストラリア)の16強進出クラブ数を紹介しつつ、「ACLの勢力図が均等化に入った黄金分割の形を示した」としていた。執筆したのは著名なサッカージャーナリストのソ・ホジョン記者だ。
 
「東アジアで図抜けたところはなく、タイのチョンブリFC、ベトナムのビン・ズオンなど東南アジア勢の健闘もありました。格差が縮まり、もはや対戦前から星勘定ができるような甘い相手はいない。Kリーグ勢はもちろん、Jリーグ勢もそれを痛感したグループステージだったのではないでしょうか」
 
 韓国での試合はもちろん、4月に日本で行なわれたKリーグ対Jリーグ対決も現地取材したソ・ホジョン記者は続ける。
「ただ、ACLにおけるJリーグ勢の競争力も弱まっているのではないでしょうか。 浦和とFC東京が16強入りしたとはいえグループ2位ですし、広島とG大阪という近年のJリーグで最も強さを発揮してきた2クラブが脱落したことが、その証左でしょう。
 
 広島は後半戦に2勝して3位とはいえ、ブリーラムは3連敗でほぼ脱落が決まっていたし、ソウルは1位通過を決めていたのでセカンドチームでした。広島とG大阪の敗退はJリーグに改めて危機感を促すものになったのではないでしょうか」
 

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