【川崎】宇佐美と乱闘騒ぎの大久保。「肘が当たって血が出ていた。相当、痛そうだったね」

2016年04月29日

39分、大久保と宇佐美が小競り合いを起こし、両軍の選手が取り囲む騒ぎに。

激しい競り合いを見せた大久保(13番)と宇佐美(奥)。39分には互いに詰め寄る場面も。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 
 まさに両エースの意地がぶつかり合う瞬間だった。39分、こぼれ球に反応した大久保嘉人と宇佐美貴史が競り合うなか、両者が激しくもつれながら倒れ込んだ。

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 大久保が「すまない」とばかりに、口元を押えて痛がる宇佐美に歩み寄る。その直後、勢い良く立ち上がった宇佐美が大久保に詰め寄ると、大久保も負けじと好戦的な態度で対応。両者とも引かず、両軍の選手が取り囲んで一触即発の乱闘騒ぎとなった。
 
 事態はすぐに収拾したが、その場面は両エースの心情を反映しているかのようだった。不発に終わった宇佐美と決勝弾を決めた大久保。試合後のコメントも対照的だった。
 
「激しい競り合いも見られたが?」という記者陣の質問に、「そうですか?」と答えた大久保は、宇佐美との競り合いについて口を開いた。
 
「痛そうだったね。肘が当たったし、相当、痛いと思う。血がめちゃくちゃ出ていた。歯のところが陥没したんじゃないかな」
 
 そんな場面もあったね、という程度の受け答えだ。饒舌になったのは、むしろ中村憲剛との連係についてだった。「すごい距離感が近いし、やりやすい。憲剛さんがあそこ(トップ下)にいると、自ずとそうなる。自分が下がれば、憲剛さんが上がってくれる。そこから憲剛さんにパスを出して、ゴール前に入れる。だから、チャンスが生まれやすい。俺がDFなら絶対に嫌ですから」と手応えを語る。
 
 決勝点は、中村から大久保、小林悠とつながり、最後に大久保が頭で合わせたものだった。「悠が相手を抜いた時、自分はまだエリア内に入ったところ。ただその瞬間、走る速度を変えた。相手はみんなボールウォッチャーでしたね」と余裕の自己解説だ。
 
 ガンバサポーターが陣取るほうのゴールにヘディングを叩き込み、「気持ち良いですよ。ブーイングされた」とあっけらかんと笑ったが、これも好調の証と言える。
 

次ページ両エースの現状が、そのまま両チームの置かれた立場を示す。

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