ミラン番記者の現地発・本田圭佑「ブロッキ新監督就任ですべてが激変。場合によっては悪童バロテッリもライバルに?」

2016年04月14日 マルコ・パソット

ベルルスコーニはまたもやらかしてくれた。

4月12日に解任されたミハイロビッチ。その3日前のユベントス戦がミランでのラストマッチとなった。写真:Alberto LINGRIA

 まさに青天の霹靂だった。ミランのオーナーであるシルビオ・ベルルスコーニが、数か月前から指揮官のシニシャ・ミハイロビッチに愛想を尽かしていたことは、もはや誰にとっても周知の事実だった。
 
 とはいえ、ここ最近のベルルスコーニの発言から(例えば「監督の未来はコッパ・イタリアの結果に懸かっている」、「シーズン途中の監督交代は好きではない」など)、とにかく今シーズン終了まではミハイロビッチ体制が続くものと誰もが考えていた。
 
 しかし、ベルルスコーニはまたもやらかしてくれた。4月12日、ミハイロビッチの解任、そしてクリスティアン・ブロッキの新監督就任を突然発表したのだ。
 
 このニュースは前日からイタリアを駆け巡っていたが、我々メディアを含めて誰もが不意打ちを食らった。中でも一番ショックを受けたのは、やはり選手たちだろう。彼らの多くはミハイロビッチと良い関係にあったからだ。紆余曲折こそあったがここにきて信頼関係を築きつつあった本田圭佑もまた、例外ではないだろう。そしてミラニスタはまたも、舵取り役を失って漂流するチームを眺める羽目となった。
 
 アドリアーノ・ガッリアーニ副会長は最後の最後まで、ベルルスコーニの考えを変えさせようと説得を続けた。今シーズンは何度かこんなシチュエーションがあり、これまでは翻意させることに成功してきたが、今度ばかりは絶対君主が聞く耳を持たず。ついに監督交代という決断が下された。
 
 最終的にミハイロビッチ解任の引き金となったのが、4月9日のユベントス戦だ。この日のミランは1-2で敗れたとはいえ、決して悪い内容ではなかった。セリエA5連覇に向けて突き進む最強王者に個のクオリティーで明らかに劣りながら、その差を埋めようと必死に戦ったのだ。
 
 これまで低調極まりなかったマリオ・バロテッリが、持ち前のテクニックとパワーを駆使して相手ディフェンスの大きな脅威になるという好材料もあった。
 
 しかし、ベルルスコーニはこの日のミランにため息を覚えたようだ。そして、ミハイロビッチ解任へと舵を切ったのだ。

次ページユース選手しか指導したことがない経験不足の監督を…。

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