【鹿島】「10番」柴崎と「8番」土居。輝き始めたふたつの才能が、鹿島を高みへと導く

2016年04月12日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

柴崎と土居の躍動はシンボリックな事象。

決勝点を突き刺した柴崎(左)を土居(右)が祝福。生え抜きふたりの活躍で、鹿島は昨季王者の広島に完勝を収めた。写真:徳原隆元

 J1リーグ第1ステージ6節、広島をホームに迎えた鹿島は4-1と大量点を奪い、今季4勝目をマーク。勝点を13に伸ばし、首位の川崎に勝点1差に迫る2位にランクアップした。

【PHOTOギャラリー|鹿島 4-1 広島】
 
 7年ぶりのリーグタイトル奪還を、「目標ではなく義務」(鹿島強化部)とする鹿島が、昨季のリーグを制した広島を完膚なきまでに叩きのめす――。この日、ホーム来場者数が700万人を超えたメモリアルゲームでの完勝劇は、都合良く解釈すれば、悲願達成へのひとつの象徴的な出来事だったような気がする。
 
 そんな一戦で、加入6年目を迎えた同期の柴崎岳と土居聖真が躍動したのもまた、シンボリックな事象だった。リーグ連覇を狙っている相手に対し、クラブの次代を担う生え抜きのタレントは力強いパフォーマンスを披露した。スタジアムに詰めかけた多くのファン・サポーターも明るい未来を見たのではないだろうか。
 
 ジーコやビスマルク、本山雅志(現・北九州)らが背負ってきた伝統の「10番」を今季から託された柴崎と、小笠原満男やユースの大先輩である野沢拓也(現・仙台)が付けていた「8番」を昨季から身にまとう土居。改めて言うまでもなく、与えられている背番号を見れば、クラブ側のふたりへの期待の大きさは疑う余地もない。
 
 それに応えるように、序盤戦のキーゲームとも言える広島戦でフル出場を果たした柴崎と土居は、それぞれ今季初ゴールを決め、勝点3を手繰り寄せた。文字どおり、勝利の立役者となったのだ。
 

次ページ「これを機に、得点パターンを増やしたい」(柴崎)。

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