【U-18プレミア】今年も強い市立船橋の象徴。プロ注目のCB杉岡大暉のハイスペックな能力とは?

2016年04月09日 安藤隆人

指揮官から与えられた課題に一発回答。開幕戦で完勝に導く鉄壁の守備を披露。

高円宮杯U-18プレミアリーグEASTの開幕戦で、市立船橋は新潟ユースに4-0で圧勝。絶好の滑り出しを見せた。写真:安藤隆人

 チームの象徴である「5番」を背負ったCBは、指揮官から与えられた『課題』をきっちりとこなしてみせた。
 
 今季の高円宮杯U-18プレミアリーグEASTの開幕戦。市立船橋は大会直前まで変則3バックを採用していたが、開幕戦の新潟U-18との一戦では、4バックで臨んだ。
 
「新潟の戦い方を考えると、3バックのほうがはまるかもしれないし、組織としてもスムーズに行くのではないかとは思った。でも、今後の戦いを考えると、チーム強化よりも、個の強化を考えたかった。なので、敢えて4-2-3-1でバランスを崩して、スライドや1対1などでしっかりと対応できるかを見たかった。もしダメだったら、すぐに3バックにするつもりだった」(市立船橋・朝岡隆蔵監督)
 
 果たして結果は4-0の圧勝。そして、タイムアップまで市立船橋の布陣は、4-2-3-1を保ったままだった。つまり、本来の姿に戻す必要がなかったのだ。
 
「杉岡と原。このふたりは『堅いな』と思った」
 朝岡監督がこう高く評価した杉岡大暉と原輝綺のCBコンビが、滑らかな連係を見せ、相手の2トップをシャットアウトしたことが、圧勝を手にした大きな要因だった。
 
 なかでもキャプテンマークを巻く杉岡は、プロ注目の存在だ。1対1の強さと空中戦の強さ、そして左足から繰り出される正確な縦パスとサイドチェンジを兼ね備え、CBだけでなくボランチ、サイドバックもこなすユーティリティさも持っている。
 
 昨年は2年生ながら、守備の要としてインターハイ準優勝、プレミアEAST4位に貢献。今年はディフェンスリーダーとして、チームの精神的支柱として、欠かせない存在となっている。
 
 その杉岡がとりわけ能力の高さを示しているのは、戦術理解力だ。冒頭で述べた3バックも、かなり変則的なものだ。このシステムはリーグ開幕1週間前に行なわれた船橋招待U-18サッカー大会で採用。杉岡はボランチに配置されている。
 
 守備時は4-2-3-1だが、攻撃時は杉岡が下がって、両サイドが一気に高い位置を取って、3-4-3の形になる。これができるのも、杉岡の高い戦術理解力と実行力があるからこそ。彼のボランチとCBのポジションの行き来は非常に的確でチームのバランスを保ち、まさしく"心臓"となっていた。
 

次ページ堅守の象徴である「5番」にかかる責務を果たした先にJリーグの舞台が見えてくる。

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