現地紙コラムニストが綴る――武藤嘉紀のブンデス挑戦記「ヨッチが再びピッチに戻ってくる日を心待ちにしたい」

2016年04月01日 ラインハルト・レーベルク

リハビリ中に語っていた不安が最悪の形で的中。

2月に痛めた右膝の怪我を再発させた武藤。シーズン中の復帰は絶望的となった。(C)Getty Images

 3月31日、ショッキングなニュースが飛び込んできた。武藤嘉紀が2月に痛めた右膝の怪我(靭帯損傷)を再発させたのだ。マインツはツイッターの公式アカウントでその事実を認め、「今シーズン中に復帰する可能性は低くなった」と発表した。

 リハビリの経過は順調で、「4月9日のヴォルフスブルク戦でベンチ入りするのではないか」と報じられていた矢先の負傷だっただけに、非常に残念でならない。

 ヨッチ(武藤の愛称)自身の機嫌もすこぶる良かった。満面の笑顔でグーテンターク(ドイツ語でおはよう)と挨拶する。2か月近く戦列を離れていた間に、ずいぶんとドイツ語が上達した。記者陣の質問をちゃんと理解し、ふむふむとよくうなずく。答えるのはまだ日本語で、そこは通訳を介しているが、"耳"はかなり進化した様子だった。

「日本で一度半月板の手術をしたことがあったけど、当時はまだプロじゃなかった。今回は、また元通りになるかどうか少し心配で……」

 リハビリ中にそう語っていた不安が、最悪の形で的中してしまった。

次ページ復帰後はコルドバの“共演”を視野に入れていたが…。

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