ブレーメンで研鑽を積む日々。“10番”佐藤恵允はテクニックの向上に自負「より繊細にボールを扱えるようになった」【U-23代表】

2024年03月20日 松尾祐希

「10番に恥じないようにプレーしないといけない」

今回の代表活動で背番号10を託された佐藤。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 もっと強く、もっと巧く――。明治大サッカー部を退部し、ドイツに渡って9か月。ブレーメンに加入した男は、一回りも二回りも成長して代表に戻ってきた。

 パリ五輪のアジア最終予選を兼ねたU-23アジアカップ前最後の活動を行なっているU-23日本代表が20日、京都市内でトレーニングを実施。3月22日に行なわれるマリとの国際親善試合に向けて調整を進めている。25日にはウクライナと対戦する。

 20日のトレーニングでは、体調不良で不在の荒木遼太郎(FC東京)を除く25名の選手がグラウンドに姿を見せるなか、充実した表情で汗を流した選手がいる。佐藤恵允だ。

 4月のU-23アジア杯はインターナショナルウィーク外の開催となるため、海外組の参加が不透明。そのため、今回の活動では出場の可能性が高い選手を招集した一方、大岩ジャパンで10番を背負った経験を持つ鈴木唯人(ブレンビー)や斉藤光毅(スパルタ)がリストから漏れた。代わりにエースナンバーを背負う選手に注目が集まるなかで、新たにナンバーテンを託されたのが佐藤だ。

「明治大で10番を初めて付けた時に近い感覚。10番は華のある番号なので、サッカーを初めて見る人であれば、どんなチームかなと思って、まずは10番を最初に見る人が多い。そういう番号なので、10番に恥じないようにプレーしないといけない」
 
 初めて日の丸の10番を背負う心境を冷静な言葉で紡いだが、伝えられた際は驚きを隠せなかったという。それもそのはずだ。2022年3月のチーム発足当初はボーダーライン上の選手だったからだ。

 同年6月のU-23アジア杯も追加招集での参加で、絶対的な存在ではなかった。しかし、徐々に代表での序列を上げ、当時所属していた明治大でも目覚ましいプレーを披露。大学4年だった昨夏にサッカー部を退部して渡独し、現在はブレーメンのトップチームで練習を積みながら、セカンドチームで出場機会を得ている。

 今回のメンバーを見れば、佐藤が10番を付けて然るべきだろう。実力面でもヨーロッパに渡ってからバージョンアップを果たしており、異論はない。

【PHOTO】マリ&ウクライナとの国際親善試合に挑むU-23日本代表招集メンバーを一挙紹介!
 

次ページトップチームでベンチ入りも

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事