【イングランド代表】ケインとヴァーディーの躍動でFWの序列が明確に。反省材料は…

2016年03月31日 山中忍

「エジルに完勝」とメディアが絶賛。

ドイツ戦で窺えたのが攻撃の進歩。トップ下で躍動した新進気鋭のアリは、経験こそ浅いがEUROでもレギュラーとしての働きが期待される。 (C)Getty Images

 EURO2016の優勝候補であるドイツに逆転勝ち(3-2)を収めた一方で、予選で敗退したオランダには逆転負け(1-2)。ホームにおけるこの敗戦を、メディアは「現実直視を強いられた」と伝えた。しかし、ロイ・ホジソン監督率いるイングランド代表の戦いぶりは、ポジティブに受け止められるだろう。
 
「遅攻」からの脱却が求められた攻撃は、「軽快」と表現できる進歩が窺えた。その要因として、ドイツ戦で相手プレーメーカーの「メスト・エジルに完勝」と『サン』紙などで絶賛されたデル・アリは、A代表で6キャップを刻んだばかりの19歳ながら、EUROではスタメン出場が当確と思われる。
 
 悩ましかったFWの人選も、明確になっただろう。敵地ベルリンで追悼のクライフターンを交えたゴールを突き刺し、反撃の口火を切ったハリー・ケインは、ウェイン・ルーニーへの信頼が絶大なホジソンに「競争」の必要性を認めさせた。巷の認識は、すでにルーニーを抜いてCFのファーストチョイスだ。
 
 長期の怪我からついに復帰を果たしたダニー・ウェルベックは、3トップの左で貢献。ドイツ戦の後半にケインと2トップを組んだジェイミー・ヴァーディーは、乗っている男らしく華麗なヒールで同点弾を決めた。そして先発したオランダ戦では、軽快にパスを繋いでこじ開けた前半の"チームゴール"を締め括っている。
 
 そのゴールの過程で相手DFを巧みに引きつけ、味方のパスコースを作るなどクオリティーの高い動きが光ったダニエル・スターリッジも、怪我さえなければEUROのメンバー入りは固そうだ。
 
 対照的にどこか仕掛けが強引で、当落線上に立っているがゆえの焦りが窺えたセオ・ウォルコットは、エントリー漏れが濃厚である。

【ドイツ代表 2-3 イングランド代表】全選手、チーム、監督の採点&寸評

【イングランド代表 1-2 オランダ代表】全選手、チーム、監督の採点&寸評

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