【日本代表】ベストは4-3-3か4-4-2か。シリア戦は“最適解”を探る舞台に!?

2016年03月27日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

シリア戦の前半に4-3-3システムが機能しなければ…。

現時点でのベストメンバーで臨む可能性が高いシリア戦。ハリルホジッチ監督の采配に注目したい。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 ワールドカップ・アジア2次予選の最終戦(3月29日のシリア戦)を前に、日本の最終予選進出が決定。これを受け、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「ロジカルな結果」としながら、「我々の野心はここで止まらない」と強調した。

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「もっと大きな野心を持っています。最終予選に進出できたことは素晴らしい。ただ、もっとできるかなと思います。いや、もっとやるべきでしょう」

 指揮官が最終予選に向け、突き詰めたいのはディテールの部分だ。

「最終予選でなにができるか。真の日本代表の姿を見られると思います。ここまでいろいろトライしていますが、ディテールの部分を修正しながら最終予選に向けた準備をしないといけない。修正したいディテール? 本当にたくさんあります。攻撃も守備も。スタッフたちとビデオを見て分析しましたが、本当にたくさんあります。結局は、ディテールの部分がハイレベルなところで差をつけると思います」

 確かに、真の日本代表の姿はまだ見えてこない。2年後の2018年に34歳になる長谷部誠をこのまま不動のレギュラーとして使い続けるのか、アフガニスタン戦でテストした4-4-2システムはあくまでオプションなのか、そうした部分は今のところ不透明だ。

 ちなみに、システムについてハリルホジッチ監督は次のようにコメントしている。

「2次予選ではここまで満足行くトライができた。ただ、4-4-2というシステムが上手く機能するかは、これから判断しないといけない」

 清武弘嗣曰く「しっかりとしたメンバーで戦う」シリア戦は、従来の4-3-3で臨む可能性が極めて高い。ハリルホジッチ監督は「今回の連戦でオーガナイズをふたつ試す」と明言しており、そのオーガナイズのひとつが"4-4-2"だとしたら、おそらくもうひとつのそれは4-3-3になるからだ。

 シリア戦で4-3-3を採用すること自体に問題はない。指揮官の考えが揺らぐとすれば、4-3-3でシリアに苦戦した場合か。仮に前半を0-0で終え、4-4-2に切り替えた後半に複数のゴールを奪う展開になれば……。最終予選でのファーストチョイスが4-4-2になるかもしれない。

 もっとも、システム以上に気になるのはベテランの扱いだ。

 ここまで不動のレギュラーとしてチームを引っ張る長谷部を最終予選でも使い続けるのかは、チームの方向性を示すひとつの判断材料になるかもしれない。遠藤保仁(36歳)や大久保嘉人(33歳)を「年齢的に」というニュアンスでアジア予選に招集していないハリルホジッチ監督が、現在32歳の長谷部をどう起用していくかは今後、ひとつの見どころになる。
 
 

 
 
 

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