【連載】霊長類ヒト科サポーター図鑑vol.9渡辺高寛(清水サポーター)「再出発する覚悟が必要」

2016年03月25日 宇都宮徹壱

「試合の日はサンバ隊として応援」

Jリーグ開幕時から20年以上、サンバ隊として応援。今も月1回の練習を欠かさない。写真:宇都宮徹壱

「今こそ、変わらなければならない」
渡辺高寛(清水サポーター)
 
 開幕戦の朝は、8時からコレオ(グラフィー)の準備でした。J2になって初めてのシーズン開幕戦ですからね。降格の予兆は4~5年前くらいから感じていました。

 一昨年(14年)のシーズンも、決していいチーム状態ではなかったですが、なんとか勝点1差で降格を免れて「ああ、こんなもんで残留できるんだ」みたいな感じになってしまったと思いますよ。チームもサポーターも危機感が足りなかった。もちろん降格は悔しいですけど「国破れて山河あり」。チームもサポーターも変わるきっかけになればと思います。

 試合の日はサンバ隊として応援しています。それこそ、Jリーグが始まった時から20年以上は続けていますよ。なぜ清水がサンバかというと、そんなに深い意味はなかったと思います。Jリーグが開幕した、エスパルスが誕生した、応援どうしよう? その時に「清水は日本のサッカー王国→サッカー王国はブラジル→ブラジルはサンバ」という感じだったと記憶しています(笑)。

 Jリーグの開幕時、サンバのスタイルで応援していたのは、清水の他にヴェルディ川崎(現東京V)、横浜フリューゲルス(横浜に吸収合併)がありました。でも、ヴェルディは演奏する人がいなくなって、フリューゲルスもああいう形で消滅して、気がついたらウチだけになってしまいました。

 ウチにしても、いろいろと人の変遷はあったし、高齢化も進んでいるけれど(笑)、残った者として頑張らないといけないという想いはありますね。幸い20代の若者も数人いますし、今も月1回きちんと練習しています。

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