2016サニックス杯で輝きを放った「東京五輪世代」注目の選手たち

2016年03月24日 安藤隆人

主力不在のなか準優勝した東福岡の原動力となった新2年生MF

東福岡の攻撃をリードした2年生MFの福田。今大会では、選手権優勝時の主将・中村が付けていた10番を背負った。写真:安藤隆人

 3月17日~20日に行なわれたサニックス杯国際ユースサッカーは、U-17日本代表の優勝で幕を閉じたが、全国の強豪校、Jユース勢が集まったこの大会で、2020年の「東京五輪世代」の選手たちが眩い輝きを放った。そのなかで、今後が楽しみな選手を代表勢以外からピックアップしていきたい。
 
 すでにユースシーンではその名がよく知られ、相変わらずの質の高さを見せたのが、大宮ユースのMF山田陸と青森山田のGK廣末陸だ。
 
 山田は、持ち前の相手の意表を突くパスと、確実なつなぎのパス。基本と意外性を併せ持ったパスを駆使し、チームの攻撃の中枢を担っていた。彼のリズムメイクは非常に目を見張るものがあった。
 
 廣末は青森山田の最終ラインが昨年からガラッと変わったため、コーチングをより意識したパフォーマンスを見せ、ゴール前で見せるオーラも昨年とは明らかに違った。ゴール前にどっしりと構え、経験の浅い最終ラインをコントロール。安定したハイボールの処理と、シュートブロックを見せ、成長の跡を見せた。
 
 大会準優勝を飾った東福岡で目についたのが、2年生ながら10番を背負ったMF福田湧矢だ。左のアタッカーとして高い突破力を披露し、藤川虎太朗と鍬先祐弥のいないチームを牽引した。福田は昨年、インターハイやプレミアリーグではスタメンを掴んでいたが、選手権では調子を落としてベンチスタートとなり、思うようなプレーができなかった。この悔しさから今大会では主軸としての自覚を見せていた。今後の伸びが楽しみな選手だ。
 
 市立船橋は背番号10とキャプテンマークを託されたMF高宇洋が存在感を見せた。1年時から名門のレギュラーを張る彼は、ドリブルとキープ力、そしてシュートセンスで、攻撃の要となる。186センチの高さを誇る1トップの村上弘有とのコンビネーションが向上すれば、さらに脅威の存在になるだろう。
 
 大津は頼もしき1年生が存在感を発揮。トップ下に入った福島隼斗など、質の高いプレーで高校サッカーに順応できていることを証明した。1年生とMF田中匠、FW藤山雄生ら3年生が融合すれば、より面白いサッカーを見せてくれそうだ。
 

次ページ今冬の選手権を沸かせた選手たちがさらに成長した姿を見せていた。

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