【日本代表】ドルトムントの香川との比較論にも冷静な清武。「“そこ”は比べるところではない」

2016年03月23日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

スピーディな攻撃を展開するうえで、清武の技術は大きな武器だ。

アフガ二スタン戦で先発の可能性も。清武はトップ下でハイパフォーマンスを披露できるか。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 同じ89年生まれだが、代表キャップでは香川に倍以上の差をつけられている。香川の77試合・23得点に対し、清武のそれは33試合・1得点。ゴール数でも遠く及ばない。実際、清武は前任者アギーレの下でも香川のバックアッパーという位置付けだった。

 シャルケ在籍の内田に言わせれば、「本当に上手いです。トップ下をやらせたら一流ですよ」という清武は確かにハノーファーで異彩を放つ。

 右足骨折から復帰して2月21日のアウクスブルク戦に途中出場すると、続く23節のシュツットガルト戦ではセットプレーから2アシスト。0-4で敗れた24節のヴォルフスブルク戦でも中盤でボールを引き出してチャンスを演出するなど、違いを見せつけた。

 「ボールを失わない」と酒井宏が話すように、清武のボールテクニックはまさに一級品だ。「グラウンダーのパスでスピーディな攻撃をしたい」と言うハリルホジッチ監督の下で、彼の技術は大きな武器になるだろう。

 それでも、現時点で「香川>清武」の序列は揺るがない。

 清武がいくらハノーファーで活躍しても、「所詮はブンデスリーガで最下位のハノーファーではないか」とのエクスキューズが付く。ドルトムントの香川とは単純に比べられない──。それは、当の清武も理解している。

「ドルトムントとハノーファーではレベルの差がある。(香川が)ドルトムントで競っている相手は一流の選手ばかりですから、ハノーファーの選手と比べると……、という差はある。僕がスタメンで出てて、ドルトムントでは熾烈な争いがあって、そこは比べるところではない。その凄い競争を僕も経験してみたいですけどね」

 代表でも、香川とポジションを争っているつもりはない。

「(香川)真司くんのことは常にリスペクトしています。特に争っているつもりはない。この2試合は大事。チームとして結果が大事。2年目を迎えたハリルホジッチ監督の下で、もっと高いレベルでプレーしないといけない。パーフェクトを目指し、プレーしないといけない」

 そんな清武がなによりこだわっていたのは、なにより「トップ下でどうプレーするか」だった。
 

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