「トレーニングをフルオープンにして5位で満足する方がたくさんいるなら…」山形の渡邉晋監督が非公開練習にこだわる理由

2024年02月21日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「手の内を易々とさらけ出すのは」

ファン・サポーターに理解を求めた渡邉監督。写真:永島裕基

 モンテディオ山形が実施したオンライン会見に渡邉晋監督が対応。今季は2次キャンプ以降、非公開練習が多いことを受け、「オープン、クローズの基準」を訊かれた指揮官は独自の見解を述べた。

「セットプレーのトレーニングをするときはクローズにさせてもらっています。そこで昨年は悔しい失点もしていますし、一方でセットプレーからもっと点を取りたいですし、我々のセットプレーの基盤を作りたい狙いがあります。また、トレーニングマッチで仕込んでいるものもあるので、オープンにできませんでした。申し訳ないです」

 オンライン会見当日(2月21日)に「急きょ、(オープンは)冒頭だけにさせてもらった」ことについても、もちろん理由がある。

「関東でキャンプをしていると、公開練習に一般のサポーターの方たちだけじゃなく、いろんなチームの人も見れるんですよ、自由に。シーズン開幕の数日前に果たしてそれは得策なのかとなった時、チームの勝利を考えるとクローズにしたほうがいいと。これは僕個人の決断で、急きょ変えさせてもらいました。なので、全ては勝利のためです」
 
 今季の目標はJ2優勝と明言しているからこその、並々ならぬ決意にも映る。

「トレーニングをフルオープンにして5位で満足する方がたくさんいるならそうします。トレーニングを全てクローズして優勝することに満足してくれる方がたくさんいるならそうします。おそらくモンテディオのサポーターの方々が望んでいるのは後者だと思います。

もちろん全てをオープンにして優勝できればそれに越したことはありませんが、今は分析の力やスピードがものすごく上がっている中で手の内を易々とさらけ出すのは違うかなと。

(山形の)天童に帰れば毎週、毎週、たくさんの方に来ていただいて、そこからエネルギーをもらっているのは間違いありません。オープンにして5位でいいですよという方がたくさんいらっしゃるなら教えてください。そうします。でも、隠せるものがあって、それが勝利に、優勝に繋がるのであれば、本当に申し訳ないんですけど、クローズにさせてください。それが僕の考えなので。100パーセント理解していただけるとは思いませんが、理解してもらえたら嬉しいです」

 非公開練習にこだわる理由をこう述べてくれた渡邉監督。指揮官の今季に賭ける意気込みは半端ない。

構成●サッカーダイジェストTV編集部

【PHOTO】華やかなダンスパフォ! Jクラブチアが国立に大集合!(Part3)

【記事】【財前宣之のJ1順位予想】実力者を補強の神戸が今季も優勝候補。J1初挑戦の町田がどこまでやれるかにも注目

【記事】日本代表の森保一監督続投は妥当か? アジア杯ベスト8敗退、豊富な戦力を最大限に活用できる最適任者なのかと言えば...
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事