風間八宏が目指す“怒”のないスタジアムとは?街の熱気、地域との絆。川崎をも超えるかもしれない南葛SCの大きな可能性【スペシャルインタビュー後編】

2024年02月20日 本田健介(サッカーダイジェスト)

喜怒哀楽で考えれば

今季から南葛を改革する風間監督。その手腕は注目だ。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

 2024年シーズンから南葛SCの監督およびテクニカルダイレクターに就任した風間八宏氏。数々の語録、斬新なアイデアが注目され、川崎や名古屋でも人々を魅力するサッカーを展開し、C大阪のアカデミー技術委員長も務める風間氏の、新たな挑戦は非常に興味深い。その様子に迫ったスペシャルインタビューの後編をお届けする。

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「モノを守っていくではなく、モノを作っていく姿勢が今のサッカー界では一番大事で、何より面白い」

 風間監督はそう力強く語る。

「自分の地位を守る、降格しないことをまず意識する。今のサッカー界ではそういう姿勢が多いのかなと。でも南葛はそうでなくて、今までにないものを作りたい。クラブとして昇格だけを目指すのではなく、地域を巻き込みながら新しいものにトライしていこうと」

 その挑戦の指標には、風間語録が満載だ。

「喜怒哀楽の"怒"がないスタジムを作りたい。スタジアムに来たお客さんは怒っていて楽しいのか。喜び、楽しみ、喝采などが溢れたスタジアム、一番良いモノを作っていきたい。それを目指したいとみんなで話している」

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 風間監督はかつて川崎や名古屋を率いた際にも、スタジアムを映画館や遊園地に負けないような、誰もが足を運びたくなる場所にしたいと強調していた。

「外国ではお客さんが暴れているから、自分たちも暴れなくちゃいけないなんてことはないよね。言ってしまえば、勝負事だから勝敗がついてしまうのは仕方がない。その都度、怒っていても良いものはできない。どんな結果になっても今日来て良かったよねと、そんな空気感のスタジムを作りたい」

 その理想の実現へ南葛のクラブカラーは大いに後押しになっているようだ。

「このクラブの良さは決断の速さ。そして『トライしてみれば良い。トライして上手くいかなかったらまたやれば良い』という前向きな姿勢が根付いている。そこが一番大事だなと」

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