【U-17日本代表】兄の背中を追って辿り着いた場所で、安藤瑞季&生駒仁が示した潜在能力

2016年03月22日 安藤隆人

兄はともに強豪校を牽引してきた存在。

U-17日本代表の一員としてサニックス杯優勝に貢献した安藤瑞季(9番)と生駒仁(13番)。初の代表選出ながら存在感を示した。写真:安藤隆人

 ふたりの高校生が初の代表選出で意欲的なプレーを見せた。鹿児島城西に所属し、昨年度の選手権で1年生ながらCBのレギュラーで出場した生駒仁と、長崎総科大附のエースストライカー・安藤瑞季だ。
 
 ふたりの共通項は、共に兄の背中を追いかけながら育ったこと。安藤は1年生エースとして長崎総科大附を初の選手権に導き、3年間エースの看板を背負った兄・翼(現・駒澤大)と入れ替わりで入学。生駒は昨年、兄・稀生と兄弟CBコンビを組んで鹿児島城西の最終ラインを支えた。
 
 兄と比較されることを理解して進んだ道。
「尊敬しているけど、自分は自分。越えないといけない」(安藤)と、決意を持ってそれぞれのチームで戦っていたふたりが、ともに今回のサニックス杯で年代別日本代表初選出を果たしたのだ。
 
「集まった時の最初のトレーニングは緊張していたのか、『ちょっと(グループに)入っていけるのかな?』と不安に思ったけど、徐々に自信がついてきたと思う」
 
 期待を込めて招集した森山佳郎監督がこう語ったように、当初は初代表ということもあり、萎縮していたが、次第に慣れてくると、揃って先発出場したグループリーグ第3節のU-17北京選抜戦では、生駒は得意の高さと対人の強さを発揮。1-0で迎えた6分にMF齋藤未月のクロスを高い打点のヘッドで合わせ、2点目も奪ってみせた。
 
 安藤も得意のフィジカルとスピードを活かした裏への抜け出しを見せ、42分にDF田中陸の折り返しをファーサイドに飛び込んで押し込み、チームの3点目をゲット。生駒も安藤も、フィジカル勝負だった北京選抜に対し、一歩も引かずに戦い抜き、持ち味を発揮した。
 

次ページ今後は『無名の存在』から『年代別代表選手』という目が向けられる。

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