「遠藤航選手のように」青森山田の“番犬”菅澤凱が選手権優勝後に見据える未来。勝ってなお渇く結果へのこだわり【選手権】

2024年01月10日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「ここで満足しても意味がない」

ボランチとして存在感を示した菅澤。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[高校選手権 決勝]青森山田(青森) 3-1 近江(滋賀)/1月8日/国立

 近江を3-1で下した決勝は、青森山田の強さが光る試合だった。一旦は1-1に追いつかれながらも、そこから地力の差を見せつけて2点目、3点目とゴールを重ねていく。近江のキャプテン・金山が「青森山田さんが全てにおいて上でした」と言うように、"青森山田、強し"を強く印象付けた。

 青森山田が安定したゲーム運びをするうえで見逃せなかったのが、2ボランチの一角を担った菅澤だ。最終ラインの前にドンと構えつつ、優れた判断力で危険なスペースを埋めるなどして近江の攻撃を封じた。

 前線と最終ラインを繋ぐ潤滑油的な役割もこなし、勝利の立役者のひとりとなった。試合後、その菅澤は守備面での貢献について次のように話していた。

「この1年、ディフェンスラインを経験して、(ボランチが)どこにいて欲しいかはそこで学んだので。もうちょっとセカンドボールを拾いたかったですが、自分の特長は出せたと思います」

 中盤の番犬と呼ぶに相応しく、ガツガツとボールを奪い、前線に繋げる。派手さは決してないものの、質実剛健なプレースタイルで大きな存在感を示した。
 
 プレミアリーグと選手権の2冠を達成した菅澤(国士舘大に進学予定)が見据える未来は、もちろん「プロ」である。

「海外を視野に入れてやっていかないと、これから先プロでも生き残っていけない。自分に足りないものはいっぱいあるので、ここで満足せずサッカー選手として成長しないといけない」

 プレーモデルは、リバプールでプレーするあの日本代表戦士である。

「遠藤航選手がリバプールでもやっているように、守備的なボランチも海外で活躍できます。そこを目指してやっていきたいです」

 選手権優勝がゴールでないことを次のコメントからも分かる。

「達成感はあります。小学校の頃から夢見てきた青森山田での選手権優勝を叶えましたけど、欲を言ったらもっと結果が欲しい。ここで満足しても意味がないし、もっと結果にこだわってやっていきたいです」

 結果へのこだわりは、勝ってなお渇くばかりだ。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)


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