PK戦の神セーブで大躍進に貢献!近江の2年生GK山崎晃輝は準優勝にも満足はなし。先輩への思いも告白「大好きな3年生です」【選手権】

2024年01月10日 野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

「『もっとやれるんだぞ』と全国に見せたかった」

最後尾からチームを盛り立てた山崎。写真:鈴木颯太朗

[高校選手権 決勝]青森山田(青森)3-1 近江(滋賀)/1月8日/国立

 守護神は大躍進にも、満足感はなかった。

 1月8日に行なわれた第102回高校サッカー選手権の決勝で、近江は青森山田と対戦。1-3で敗れ、頂点にこそ届かなかったが準優勝に輝いた。

 過去の最高成績は2回戦。それを大幅に上回る結果を残した近江で、今大会の全5試合でゴールを守り抜いたのが、2年生GK山崎晃輝だった。

 決勝後に取材に応じた山崎は、敗戦に唇をかんだ。

「目の前まで日本一が来て、でも、あと一歩届かなくて。悔しいとしか言えないですね。自分たちの目標はベスト4だったんですけど、最後の最後、あと一歩で日本一というところまで来て、負けてしまったので。めちゃくちゃ悔しいですね」

 チームを最後尾から支え続けた。初戦の日大藤沢戦と3回戦の明秀日立戦で、ともにPK戦を制して勝ち上がるなか、山崎は日大藤沢戦で1本、明秀日立戦では2本、神がかり的なPKストップを披露した。
【選手権PHOTO】堀北・ガッキー・広瀬姉妹! 初代から最新19代目の藤﨑ゆみあまで「歴代応援マネージャー」を一挙公開!
 以降も安定感あるセービングで勝利に貢献してきたが、それでも山崎は「自分としては、悔いが残る大会でした。100%以上の力が出せたかと言われれば、出せませんでした。『もっとやれるんだぞ』と全国に見せたかったです」と振り返った。

 PKストップについて訊けば、「試合とは別物で、PKはPKだと思っています。PKでは実力もあるのでしょうけど、少しの運もあるのではないでしょうか」と語る。

 決勝戦のスタメン11人のうち、9人が3年生だったように、最上級生とともに戦い抜いた。山崎は、頼れる3年生に感謝する。

「2年間、生意気な後輩だったと思います。でも、優しく接してくれて、自分が辛い時には声をかけてくれました。寮で一緒に住んでいて、同い年のように扱ってくれるので、大好きな3年生です」

 4-3で点の取り合いを制した準々決勝の神村学園戦後、日本テレビが放送したダイジェスト番組では、涙を流す山崎を主将のDF金山耀太が励ます様子が取り上げられた。これについては「全国に自分が泣いているのが放送されたのは、恥ずかしいですけど、ああやって、励ましてくれて。失点後にもすぐ声をかけくれて。 頼もしい3年生だと思います」としみじみ。

「この負け(決勝戦)は、このピッチで返さないといけないので、またこのピッチに帰ってきたい」という山崎は、新シーズンに向けて「今年以上に、チームを勝たせられるゴールキーパーになりたいです」と前を向いた。

取材・文●野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

「本当に痛かった」青森山田戦で近江を象徴する同点弾に絡むも、キャプテンの金山が悔やんだのは…【選手権】

「自分たちのサッカーが知れ渡ったのは嬉しい」攻撃的なスタイルで魅了した近江、MF山門立侑は誇らしげ。痛感した青森山田との"差"は?【選手権】

優秀選手34人が決定!王座奪還の青森山田から得点王の米谷壮史ら最多7人!惜しくも準優勝の近江から5人【選手権】
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事