同点とされても崩れず。失点直後、青森山田の円陣で何を話し合ったか。キャプテンの山本虎は「絶対、自分たちが勝てる」と確信【選手権】

2024年01月09日 野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

「『前からもっとプレスに行け』と『焦らずに行こう』」

青森山田の守備の要で主将の山本。選手権制覇に大きく貢献した。写真:滝川敏之

[高校選手権 決勝]青森山田(青森)3-1 近江(滋賀)/1月8日/国立

 青森山田は、第102回高校サッカー選手権の決勝で近江と対戦。33分に福島健太のゴールで先制すると、47分に追いつかれたものの、60分に米谷壮史が勝ち越し弾。70分には相手のオウンゴールで突き放し、3-1で勝利した。

 2年ぶり4度目の優勝を決めた一戦で、青森山田は試合を通じてペースを握り、盤石の強さを見せた。一時同点とされたが、崩れることはなかった。

 1-1にされた直後、青森山田は11人全員で円陣を組み、話し合っていた。流れが変わりかねなかった場面で、どのような確認があったのか。

 センターバックの一角を務めたキャプテンの山本虎は、試合後の取材で、その時のやり取りを明かした。

「守備の圧力が弱かったので、『前からもっとプレスに行け』という話と、追いつかれたといっても、まだ1-1なので焦らずに。絶対、自分たちが勝てると分かっていたので、『焦らずに行こう』という話をしました」

 絶対、自分たちが勝てる――。なぜ、そのような確信を持てたのか。頼れる守備の要に尋ねると、こう言い切った。
【厳選ショット】後半に圧巻の勝負強さを発揮!3ゴールを奪い、2年ぶり4度目の優勝!|選手権決勝 青森山田3-1近
「自分たちのチャンスで、攻められた部分がありました。そのなかで決め切れずにいたので、それほど焦ることはなく、絶対決められると思っていました」

 チームが浮足立つ様子は見られなかった。選手たちの頼もしさを、正木昌宣監督は「選手たちの顔を見ると、全く動揺することなくプレーしていました。逆に『締まったな』という感じの顔つきでした」と振り返った。

「守備が改善され、すごく良かった」と同点後の戦いぶりにも胸を張る山本は、決勝戦を含め、全5試合にフル出場。タフに戦い抜いた。

「中1日で、戦ってきた相手が全て強かったです。でも、自分たちは日頃の練習からやってきていましたので。きつかったですけど、まだ走れる。積み上げはありました」

 そして、見事に選手権制覇を果たした気持ちを問われると「最高です。選手権での日本一は一番の目標にしていたので、ホッとしましたね」と喜んだ。

取材・文●野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

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