「この場所に居られたことが幸せでした」

　12月17日にニッパツ三ツ沢球技場で開催された中村俊輔の引退試合で、往年のスターが名を連ねた『J-DREAMS』の一員としてピッチに立った川口能活氏は、感慨深い表情でそう語った。

　俊輔とマリノスや日本代表で多くの時間を共にした川口氏は、「俊とのトレーニングで自分も成長できた」と述べ、「俊はイタリアに行って世界的な選手になり、その成長を見られて幸せな気持ちになりましたし、僕も（彼の）テクニックや左足に魅了された１人です。一緒にプレーしたすべての時間が最高の思い出です」と続けた。
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　試合は前半のみの出場だったが、48歳という年齢を感じさせないプレーでゴールを守った川口氏。ただ、横浜FCに縁のある選手で編成された『YOKOHAMA FC FRIENDS』側で出場した俊輔に、FKでの２発を含む３ゴールを許した。

　そのFKについて、「あのキックはコースが絶妙で、精度という言葉では言い表わせないくらい正確無比」と称賛した川口氏は、俊輔のサッカーへの姿勢についても次のように称えた。

「ピンポイントで合わせるボールも、ゴールを狙うキックもトレーニングの賜物だと思います。こだわってずっとトレーニングしていて努力家ですし、天才が努力をすると、こういう選手になるんだなという代表的な選手です。僕のほうが少し（年齢が）上ですけど、同年代としてプレーできたことが誇らしい」

　世界中のファン・サポーターだけでなく、同じ"サッカー人"からも尊敬される俊輔の存在は偉大だ。

取材・文●金子徹（サッカーダイジェスト編集部）

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