ブラジルのプレスの餌食になって、2失点に関与。熊谷のアンカー起用は再考すべきだ【なでしこジャパン】

2023年12月01日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

五輪予選では見えにくかった弱点が…

ブラジル戦でアンカーを務めた熊谷。写真:サッカーダイジェスト

 相手はブラジル、しかもアウェーで3-4。勝てなかったものの、有意義な国際親善試合になったのではないか。

 守備の局面での嵌め方が巧みなブラジルを相手に、なでしこジャパンはそれでもいくつかチャンスを作った。とりわけ、先制点になった左サイドからの崩しは素晴らしく、ウイングの宮澤とサイドバックの遠藤は改めて現チームのキーマンであることを証明した。

 こうした舞台でスタメンに抜擢された17歳でDFの古賀(これがなでしこジャパンで初キャップ)にとっても、大きな刺激を受けた試合になったはずだ。

 ただ同時に、なでしこジャパンの弱点が浮き彫りになったゲームでもあった。

 個に目を移せば、力強い寄せで球際を制す場面があった清水、優れたテクニックで好機を演出した長谷川など目を見張る選手は何人かいた。しかし、アンカーの熊谷はどうなのか。
 
 俊敏性に欠け、そこまでの展開力も感じない。実際、ブラジルのプレスの餌食になって、2失点に関与。もちろん熊谷にパスを回すまでの流れもよくないのだが、とにかくなでしこジャパンが本気でここから世界一を目指すなら、その熊谷に代わって出場した18歳の逸材・谷川を今後はメインで使ったほうが良いのではないか(林を起用してもいい)。

 厳しい言い方になったが、むしろ良いレッスンになった。日本国内での国際親善試合やパリ五輪のアジア2次予選では見えにくかったなでしこジャパンのウイークポイントが見えた点で、ブラジル戦はやはり有意義に映った。

 熊谷の先発起用にこだわるなら、3CBの中央か。機動力も求められるアンカーは、クラブでの活躍はさて置き、少なくともなでしこジャパンにおいては熊谷のベストポジションではないだろう。

 いずれにしても、熊谷のアンカー起用は再考すべきだ。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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