ミラン番記者の現地発・本田圭佑「今のケイスケはチーム、監督、サポーターに“安心”を与えている」

2016年03月01日 マルコ・パソット

ついに本田とミハイロビッチもシンクロし始めた。

2月27日のトリノ戦ではセリエAで6試合連続のフル出場。本田は攻守に渡って貢献した。写真:Alberto LINGRIA

 これまでも折あるごとに触れてきたが、本田圭佑とミランの好不調の波はシンクロする。本田が良ければミランも良いし、ミランが好調なら本田も好調なのだ。
 
 2月27日のトリノ戦でも本田は相変わらず攻守でハイパフォーマンスを見せ、実際にミランは1-0で勝利。翌日にインテルがユベントスに敗れたため、5位インテルとの勝点差を1まで縮めている。
 
 単なる偶然と言えなくもないが、これだけ何度も続けば偶然だけで片付けるのは不自然だろう。本田の安定感は、チームに伝染し、仲間の動きをスムーズにするのだ。
 
 しかもここにきて、本田のシンクロは新たな段階に入ってきている。今度はシニシャ・ミハイロビッチ監督との運命も交錯し始めているのだ。
 
 本田がスタメンに返り咲いて以来(17節のフロジノーネ戦)、指揮官の運勢も上向きになってきている。この一戦で12試合ぶりに先発した本田は、50分にイニャツィオ・アバーテの同点ゴールをアシスト。このままフル出場し、4-2の逆転勝利に貢献している。
 
 正確に言えば、フロジノーネ戦の後に18節のボローニャ戦を落としているので、ミハイロビッチにとっての本当の分岐点ではないが、それでもフロジノーネ戦がミランに激震を起こしたのは確かであり、その主役の一人は間違いなく本田だった。
 
 もう少し前まで時間を巻き戻してみれば、よく分かるだろう。今からほんの2、3か月前のミランのプレーは、それは酷いものだった。プレースタイルも闘志も欠片すらなかったのだ。
 
 どうしたらチームを機能させられるか、どうしたら中位から抜け出せるのか、解決策を見つけられずにいたミハイロビッチは、まさに首の皮一枚で繋がっている状態だった。

次ページ本田はミハイロビッチを首のピンチから救った。

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