「懸念した事態が発生。だが最悪の結果を防いだとも」三笘薫の日本代表離脱にブライトン番記者が見解。不調に野戦病院化...「この状況でミトマを失うわけにはいかない」【現地発】

2023年11月16日 リッチー・ミルズ

21分間を10人で戦うことを強いられる

日本代表合流後に離脱が発表された三笘。(C)Getty Images

 ブライトンはプレミアリーグで勝ち星から見放されたままである。11月12日の日曜日、本拠地のアメリカン・エクスプレススタジアムで行われたシェフィールド・ユナイテッド戦もまた1-1の引き分けに持ち込まれ、6試合連続で勝利がない。

 出だしは好調だった。サイモン・アディングラがDF2人を抜いてファクンド・ブオナノッテと巧みなワンツーから、最後は敵GKのウェス・フォデリンガムの横を鮮やかに射抜いて先制ゴールを奪う。

 しかしロベルト・デ・ゼルビ監督率いるブライトンは、69分にマフムド・ダフードがベン・オズボーンの左脚を不用意に踏みつけて一発退場。シーガルズ(ブライトンの愛称)は残りの21分間を10人で戦うことを強いられる。

 その数分後に簡単に同点に追いついたシェフィールド・Uは、勢いそのままに逆転勝利を狙ったものの、結果的には引き分けで試合が終了。これにより、ブライトンは16戦連続でクリーンシートなしが確定し、けが人の多いチームは改めて層の薄さが顕著になった。
 
 この日の三笘薫はベンチスタートとなった。9月30日のアストンビラ戦から、直近の7週間はリーグ戦とヨーロッパリーグともに常に先発フル出場してきた。それだけに、ヨーロッパリーグのアヤックス戦で2-0の勝利に貢献した日本代表は、温存されてしかるべき存在だった。

 試合の序盤は、アディングラ、アンス・ファティ、そしてブオナノッテの若い攻撃陣が数を駆けるが脆弱なシェフィールド・Uの守備陣に積極果敢に襲い掛かり、三笘なしでも十分な戦いぶりを示した。

 しかし2週間前のフラム戦でもそうだったように、圧倒的なボール支配率を誇り、シュート数でも対戦相手を上回りながら、デ・ゼルビ監督のチームは追加点を取るのに苦しんだ。前半を終えて1-0。ハーフタイム終了直後、驚くことにイタリア人指揮官は三笘とジョアン・ペドロを投入する。試合を決めるため、勝点3を絶対的なものにするために、早い段階で動いたのである。

【動画】三笘がシェフィールド・U戦で披露した3人包囲網突破のドリブル
 

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