「珍しく目立たなかった」“脇役”に回った三笘薫、名門アヤックスを撃破した一戦をブライトン番記者はどう評価した?怪我人続出のなかファンが願うのは…【現地発】

2023年11月12日 リッチー・ミルズ

アヤックスのスタメンは平均年齢21.6歳

アヤックス戦もフル出場となった三笘。(C)Mutsu FOTOGRAFIA

 ブライトンはヨーロッパリーグの第4節で、アヤックスに敵地アムステルダムで2-0で快勝。グループステージ突破に一歩近づいた。

 シーガルズ(ブライトンの愛称)は15分にアンス・ファティのゴールで先制。サイモン・アディングラからのパスを受け、ゴール左隅に流し込んだ。

 後半に入って53分には、今度はバルセロナからレンタル移籍中の21歳が、お返しとばかりにアディングラの掴点お膳立て。ファイナルサードで近づいてきたディフェンダーをかわしてラストパスを送り、コートジボワール代表が追加点を決めた。

 この2人のゴールがロベルト・デ・ゼルビ監督率いるチームを勝利に導き、4試合で勝点7まで伸ばすことに成功。次のAEKアテネ戦に勝てば、グループB突破が決まる。
【動画】キレキレのフェイント→オウンゴールを誘発して感情を爆発させる三笘
 ヨハン・クライフアリーナにやってくる以前の直近の8試合では、ブライトンは三笘薫に頼る場面が目立っていた。チームメイトが低調なパフォーマンスを重ねていたなかで、質の高さを見せ続けていたからだ。

 三笘のスピードとドリブルは、対戦相手にとっては厄介な武器である。チームが苦しい状況でも、得点シーンに絡む光景がたびたび見られた。

 しかしながら、9日の夜、オランダの首都に現れた26歳は珍しく目立たなかったと言わざるを得ない。2列目に並んだ3人では、明らかにファティとアディングラの陰に隠れていた。

 一方で、いつもどおりハードワークは厭わずに、脇役に回ってフォアザチームで勝利に貢献していた。しっかりとトラックバックをして守備の場面でも活躍した。時には重要なタックルで、相手の攻撃を止めるシーンもあった。そこからドリブルで前進し、チームをピンチから救ったりもした。

 この晩、アヤックスのヨン・ファント・シップ暫定監督は若手選手主体のチームで試合に臨んできた。往年のアヤックスのウインガーで、ファンも多いファント・シップだが、ここまでは低迷する名門チームを救い出せるきっかけを見いだせてはいない。

 そんななか、エネルギッシュな若手で構成された平均年齢21.6歳のチームでブライトンに挑み、アウェーでの0-2の敗北を払拭しようと試みた。試合開始直後はこの作戦が奏功する可能性も見えた。

 GKバート・フェルブルッヘンにセーブされたものの、開始12分までに、スティーブン・ベルハイスとクリスティアン・フリンソンの2選手がブライトンゴールに迫った。

 だが、ブライトンは経験不足を見逃さなかった。敵陣での18歳シルバノ・フォスのパスミスをアディングラが素早くカットし、ファティにパス。あっさりと先制点を奪った。
 

次ページカウンターでは三笘が敵の守備を脅かす存在に

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事