「1対1で勝てると思った」38歳の元英代表DFを翻弄!なぜ三笘薫は後半から輝けたのか。感情を爆発させた理由、5戦未勝利には「もちろん悔しい。でも...」【現地発】

2023年11月07日 松澤浩三

「もっと前半から、サイドから単純に攻めるべきだと」

とりわけ後半は対峙したヤング(右)を手玉に取った三笘。(C)Getty Images

 敵地グディソン・パークでのエバートン戦は終始雨の中で進んだ。序盤に先制点を喫して、その後はボールを支配するもなかなか決定機を作れなかったブライトン。そんな窮地で、終盤に同点ゴールを演出して、チームに貴重な勝点1をもたらしたのが三笘薫だった。

 試合後の三笘は「支配率がある中で、シュート数も少ないし、雨の中、スリップのなか、引かれた相手っていうのは、なかなか難しいのは分かりますけど。もっと前半から、サイドから単純に攻めるべきだと思っていましたけど、なかなか。自分たちのやりたいこともありましたし。そこで、難しい展開になりました」と振り返った。

 この試合でロベルト・デ・ゼルビ監督はジェームズ・ミルナーを左サイドバックに起用。37歳のベテランに同サイドの高い位置でのポジション取りをするように、そして定位置の左サイドハーフに入った三笘にはインサイドに絞ってプレーするように指示を出した。
 
 試合中もイタリア人監督はタッチラインから三笘とミルナーに声をかけ続け、前者には内側へ、後者には左サイドで張り続けるように伝えていた。そのため前半の三笘は中央寄りにポジション取りしたり、時には右サイドまで流れてプレーに絡もうと試みたが、このプランはまるでハマらなかった。

「う~ん、ピッチの大きさとかもあるんでしょうけど、雨のところもありますし。なかなか相手もコンパクトに来てたんで、間(あいだ)が開かずに。自分たちがもうちょい相手に前からプレスに行ったり、自分たちが裏を抜ける様子を出せば、もう少し空いていたと思うので。でも、やっぱり狭い中でのパス繋がってというのは難しいんで、単純にサイドまで行ってから、中に行った方がよかったとは思いますけど」

 こう三笘は分析したが、左サイドに開いたときには対峙(たいじ)した右サイドバックのアシュリー・ヤングと右センターバックを務めたジェームズ・ターコウスキが2枚で日本代表のケアに入ったため、エバートンの堅守を崩せなかった。

 またミルナーも敵陣深くにいたものの効果的な役割は果たせず、逆に中盤で攻撃のタクトを振るうはずのパスカル・グロスが左サイドバックのカバーリングに入る機会が多くなり、リズムが出なくなる逆効果にもなっていた。
 

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