「16歳の頃から次元が違った」「何年かにひとりの天才」バーミンガム時代の同僚や元監督がベリンガムのデビュー当時を回顧。マドリーで躍動する若きMFのルーツを辿る!

2023年11月19日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

「ナンバー22」は永久欠番に

R・マドリーで爆発中のベリンガム。バーミンガム時代(写真)から次元が違ったという。(C)Getty Images

 バーミンガム・シティの本拠地セン ト・アンドリュースの南東側に東西に走るのがキャトル・ロードだ。その通りを行くと壁画が見つかる。スタジアムから石を投げたら届くほどの距離だ。壁に描かれているのは、ブルーズ(チームカラーに由来するバーミンガムの愛称)にゆかりの2人の選手だ。
 
 ひとりはトレバー・フランシス。1970年代から80年代にかけて活躍したアタッカーで、英国史上初の100万ポンド・プレーヤーとして名を残す正真正銘のレジェンドだ。
 
 もうひとりは、ジュード・ベリンガム。バーミンガム西郊のスタアブリッジで生まれ育ったローカルボーイで、他でもないフランシスのクラブ最年少デビュー記録を破った若きレジェンドだ。2019年8月6日、リーグカップのポーツマス戦でピッチに立ったMFの年齢は16歳と38日だった。
 
 そのわずか1年後、ベリンガムはボルシア・ドルトムントに移籍する。移籍金は3000万ポンド(約54億円)。下部リーグの経験しかない17歳の若者には破格な金額だった。それよりも異例だったのが、バーミンガムの取り計らいだ。ベリンガムの背番号22番を、永久欠番にしたのだ。たった1シーズン、公式戦44試合に出場しただけの17歳だ。さすがに度が過ぎていると、周囲は呆れ、嘲った。
 
 それから3年が経った。ベリンガムの永久欠番を、もう誰も笑う者はいない。ベリンガムはいまや、この地球上で最高のMFだ。ドルトムントでの驚くほど目覚ましい3シーズンを経て、今夏に移籍したレアル・マドリーでそれこそ異次元の活躍を見せている。8850万ポンド(約159億3000万円)にインセンティブが追加される移籍金が、それこそ格安にも感じられるほどに。
 
 ラ・リーガ開幕戦でいきなりゴールを決めて華々しくデビューを飾ったベリンガムは、2節に2ゴール、さらに3節と4節にも1ゴールずつを奪い、チャンピオンズリーグの初戦では1-0の決勝点をマークする。さらに先日のクラシコでも2ゴールを挙げるなど、いまやチームにとって誰よりも欠かせない大事な存在となっている。
 

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