【ブンデス現地コラム】レギュラーの座を掴みつつある酒井高徳。“判断力”が立場を好転させる一因に

2016年02月25日 中野吉之伴

前半戦は出番に恵まれず、ウインターブレイク明けも…。

20節のケルン戦から3試合連続でフル出場。前半戦こそ出番に恵まれなかったが、酒井が確実に評価を高めている。(C)Getty Images

 3年半を過ごしたシュツットガルトを離れ、今シーズンから恩師ブルーノ・ラッバディア率いるハンブルクでプレーする酒井高徳。開幕直後は出場機会に恵まれず、新天地デビューを果たしたのは8節のヘルタ・ベルリン戦だった。右SBの定位置を争うデニス・ディークマイアーが負傷した12節~17節は先発に名を連ねたものの、ウインターブレイクが明けると、戦列に復帰したディークマイアーに再びポジションを奪われた。

 昨シーズン、昇格/降格プレーオフの末に辛うじて1部残留を果たしたハンブルクは、いわば「負けないサッカー」を志向している。コンパクトな守備ブロックと素早いカウンターをベースとした堅実なスタイルだ。ソツのない守りと精力的な上下動を見せるディークマイアーを先発に選んだラッバディア監督の判断は、妥当だったと言える。

 ハンブルクは前半戦で10位とまずまずの位置につけるも、後半戦に入るとチームは失速。18節のバイエルン戦と19節のシュツットガルト戦をどちらも1-2で落とし、連敗スタートを余儀なくされたのだ。

 酒井にチャンスが巡ってきたのは、20節のケルン戦から。この試合で右SBでフル出場し、その後の2試合でも90分間プレーした。いまや右SBの2番手という立場から脱し、レギュラーの座を掴みつつある。評価が好転した理由はどこにあるのだろうか。
 

次ページどんな状況でも準備を怠らず、巡ってきたチャンスをモノにする。

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