“等々力劇場”を生み出した川崎の底力に脱帽。福岡の長谷部監督は「パーフェクトに近い」と相手の交代選手の活躍を称賛

2023年10月21日 渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)

「全員、良い選手だと思います。遠野大弥が一番良かったかもしれません」

長谷部監督は、教え子の遠野ら川崎の交代出場の選手を称賛した。(C)SOCCER DIGEST

[J1第30節]川崎 4-2 福岡/10月20日/等々力陸上競技場

 アビスパ福岡は10月20日、J1リーグ30節で川崎フロンターレと対戦。先制された直後にドウグラス・グローリの得点で追いつき、山岸祐也のゴールで試合をひっくり返すも、終盤に3失点し、2-4で敗れた。

 福岡はコンパクトな陣形を保ちながら、丁寧にビルドアップし、前線のコンビネーションで攻撃を仕掛ける。サイドでは紺野和也のドリブル突破をアクセントに、ウイングバックも積極的に攻撃参加する。先制されたが、自分たちでリズムを作り、一時は逆転に成功した。

 真っ向勝負で川崎からリードを奪った展開には期待感を抱いた。

 長谷部茂利監督も試合後に「自分たちのできる攻撃と守備のところを十分発揮したと思います」と、途中までは狙い通りにゲームが運べたという。

 しかし、そこから逆転を許し、勝点1すら持ち帰れなかった結果には、実力差を認めざるを得ない。

 いずれも交代出場の小林悠、遠野大弥、宮代大聖に続けてゴールを決められるなど、質の高い交代カードを切れる選手層や、リスク覚悟で勝点を奪いに来る判断、苦しいゲームをモノにする経験値など、"等々力劇場"と呼ばれる底力を見せられた。
【PHOTO】福岡の出場16選手&監督の採点・寸評。山岸は巧みなポストワークを披露。読みの鋭さも光ったグローリだが最後は相手に翻弄される
 長谷部監督は「全員、良い選手だと思います。遠野大弥が一番良かったかもしれません」と、かつて福岡に在籍した教え子の活躍を称賛し、川崎の交代選手たちに言及する。

「対峙しても、そこを外される。オンの時もオフの時も、ボールを持ってる時も持ってない時も動きが上手だし、そこにパスも出てくる。フレッシュな状態だから、守備のところもよく走って、カバーもできる。パーフェクトに近い、そういう選手たちが途中交代で出てきていました」と脱帽した。

 10月20日時点で、勝点45で8位につける福岡は、2021年に記録したクラブ最高位(8位)を塗り替えられるか。

 指揮官は、この日の川崎のように「リスクとパワーをかけてくる相手を止められるようにならなくては」とし、「自分たちがもうひとつ上、つまり強いチームと肩を並べることはできない。選手には、今日の敗戦を忘れないで、近い将来フロンターレに勝とうと共有しました」と明かした。

取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)

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