久保建英は“10番ポジション”が似合う。鍵はボランチのサポート。いかに前向きにプレーさせるか。守田英正も確信「あいつは前にいたがるし、そのほうが活きる」

2023年10月19日 河治良幸

瞬間的に伊東が中、久保が右外に

チュニジア戦はトップ下で輝きを放った久保。古橋の先制弾で起点となり、伊東の追加点をアシスト。全得点に絡む活躍ぶりだった。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

 森保ジャパンは10月17日、2-0でチュニジアに勝利し、昨年6月に0-3で敗れた相手にリベンジを果たした。

 まず勝利というのは重要だが、9月の欧州シリーズや13日のカナダ戦とも違った組み合わせを試しながら、日本の良さを発揮できたということは、今後のワールドカップ・アジア2次予選やアジアカップに向けても、確かな自信になりそうだ。

 チュニジア戦は、カタールW杯組も含めて、これまで森保ジャパンの主力を担ってきた選手が多いなかで、パリ五輪世代のGK鈴木彩艶(シント=トロイデン)や怪我から復帰の旗手怜央(セルティック)がどう機能するかは注目だったが、今後の起用法を見据えるうえでキーポイントとして見ていたのが、4-2-3-1のトップ下に入った久保建英(レアル・ソシエダ)と周囲の関係だ。

 9月12日のトルコ戦は同じシステム、同じポジションから幅広く攻撃に関わり、久保が攻撃の中心にも見えた。そこから鋭いシュートで、中村敬斗(スタッド・ドゥ・ランス)のゴールを導くなど、それはそれで見事なパフォーマンスだった。

 ただ、久保自身は「トルコ戦はすごく疲れたし、やることが多かったので。できればもっと前で仕事をできるようにしたい」と語っていた。

 チュニジア戦は、中盤のファーストセットとも言える遠藤航(リバプール)と守田英正(スポルティング)がダブルボランチを組んで、正三角形の頂点である久保を後ろから支える構図となった。
【動画】久保が全得点に絡む! チュニジア戦の2発
 守田は「彼には前を向いてほしいし、トルコ戦で結構勘違いされてたけど、あいつは前にいたがるし、そのほうが活きる。だけど、後ろが持てないなと思ったら、下りるしかないと思って降りてくる」と語る。

「そこは僕たちをどれぐらい信頼してくれてるかで、あいつのポジショニングとかプレーは変わる。後ろの僕自身も持てると思って前に出させてますけど、タケがちょっと脇に半分ぐらい下りてくれるから上がれましたし、僕が脇を取るからタケが10番のところ(トップ下の位置)で受けれましたし、特に後半はその形をお互いに作れた」

 スタートした時の感触として、久保は「旗手選手が中に落ち気味だったのと、伊東選手が外に張っていたので。ちょっと右に落ちようかなと思って、前半の20分くらいはちょっと落ちすぎたかなと思いました」と振り返る。

 それでも「そこから上手く中のところでボールを受けて、チャンスっていうのは作り出していたんで、徐々に僕としてもチームとしても、ギアがどんどん上がってきたかなと思います」と語るように、トルコ戦に比べれば高めの位置をキープしながら、上下というよりはワイドに動いて、ボランチやサイドの選手から前選択のパスを引き出し、チャンスに絡む姿が見られた。

 そうしたなかでも、基本的に右は伊東純也が個人で行けるので「特に僕が変にサポートする必要もないかな」と感じていたという久保だが、それでも瞬間的に伊東が中、久保が右外に流れてチャンスを作るシーンも見られた。

【PHOTO】日本代表のチュニジア戦出場17選手&監督の採点・寸評。2人に"7点"の高評価。MOMは2点に絡んだMF

次ページよりゴールに直結するプレーを

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