「やはり共存は難しいのか」20分間で感じた不安、訪れた待望の瞬間...久保と伊東の同時起用成功がチュニジア戦最大の収穫だ

2023年10月18日 江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

「むやみにサイドに張りたくなかった」

久保(左)のアシストから伊東(右)が追加点を奪った。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

[国際親善試合]日本 2-0 チュニジア/10月17日/ノエビアスタジアム神戸

 10月17日に行なわれた「キリンチャレンジカップ2023」で、森保ジャパンはチュニジア代表と対戦。昨年6月の対戦では0-3で敗れた難敵を、2-0で下した。

 この一戦で最大の収穫と言えるのが、久保建英と伊東純也の同時起用が、ひとまず機能した点だろう。利き足も、タイプが違うものの、ともに右サイドを得意とする両者は第二次森保ジャパンでは基本的にスタメンを分け合ってきた。

 3月のコロンビア戦や9月のトルコ戦では、短時間だけ共にプレーしたが、前者では久保が途中出場した時には伊東が左サイドに回っており、後者では中盤の構成上、レフティが落ちざるを得なくなり、効果的な連係は見られなかった。

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 もっとも、この試合でも最初の20分ほどは、久保と伊東が右サイドで重なる場面もあり、「やはり共存は難しいのか」と思わせた。

 久保本人は、その序盤の動きについてこう説明している。

「むやみにサイドに張りたくなかったんですけど、(左サイドの)旗手(怜央)選手が中に落ち気味だったのと、伊東選手が張ってたんで、ちょっと右に落ちようかなと。前半20分ぐらいは落ち過ぎたかなと思ったんですけど、そこからうまく中に入ってチャンスを作り出せたかなと」

 その言葉通り、この20番が自由に動き回るようになってから、攻撃がスムーズに、そして多彩になる。23分には伊東からボックス内でパスを受けた久保がシュート。こぼれ球を狙った旗手は大きく外してしまったものの、チャンスを作り出した。

 そして、69分には左サイドを突破した久保がマイナスのクロス。伊東がダイレクトで合わせて、追加点を奪った。やや大袈裟かもしれないが、日本のサッカーシーンにおいて"待望の瞬間"だった。

 同時起用の成功は、久保のこのコメントに凝縮されている。

「今日のプレーだったら、(右サイドより)トップ下のほうがいいと思う。僕がトップ下で、伊東選手が右サイドのほうが、相手からしたら脅威なのかな。右で勝負したいという気持ちもなくはないですけど、もったいないかな。結果にも出ていますし」

 異彩を放つ2人のコンビネーションはさらに深まっていくはずだ。

取材・文●江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

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