【セルジオ越後の天国と地獄】ナビスコカップが文字通り“消滅”してしまう前にJリーグがすべきこと

2016年02月19日 サッカーダイジェスト編集部

20年以上に渡る恩恵に報いることができているのか。

92年から続くナビスコカップ。同一冠スポンサーのカップ戦としてギネス世界記録を持つ大会だ。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 国内3大タイトルのひとつ、ナビスコカップの名称について話題になっているね。冠スポンサーである「ヤマザキナビスコ」の親会社である山崎製パンと、同社が製造を手掛けてきた「ナビスコ」製品の商標を持つアメリカのモンデリーズ・インターナショナルとの契約が切れ、「ヤマザキナビスコ」の社名が「ヤマザキビスケット」に変わるという。
 
 このことで、"ナビスコカップ"の愛称で親しまれてきたカップ戦も、その呼び名が変わるというわけだ。今年は従来通りの名称で実施され、来年以降に変更されるようだね。
 
 どういうネーミングになるか気になるところだけど、そもそも僕はこの大会について、引っかかっていることがあるんだ。
 
 92年から続くナビスコカップは、同一冠スポンサーのカップ戦としてギネス世界記録を持つ大会だ。つまり、20年以上に渡って日本サッカーは恩恵を受けてきたわけだ。
 
 でも、これだけ長い期間、協力してくれている企業に対して、それに見合う形でJリーグは報いることができているのか。「ヤマザキナビスコ」にちゃんとしたお返しができているのか疑問だよね。
 
 多くの目に触れれば触れるほど、スポンサー企業からすれば喜ばしいこと。だけど、決勝戦はスタンドが埋まるけど、それ以外では空席が目立つ試合が少なくない。その意味で、「ヤマザキナビスコ」が十分に満足しているとは言えないんじゃないかな。
 

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