社会人リーグからJ2群馬を経て、J1新潟へ。長倉幹樹が“這い上がった1年半”の背景を明かす【インタビュー後編】

2023年10月16日 岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

「関わってくれた人たちのためにも絶対に活躍する」

新潟移籍後はゴールを奪えていないが、徐々にフィットしつつある。ポゼッションを基軸とするチームのなかで自らの持ち味を発揮できるか。(C)J.LEAGUE

 Jクラブからオファーが届かず悔しさを味わった大学卒業時から、わずか1年半。社会人リーグの東京ユナイテッドFCからJ2の群馬を経て、J1の新潟まで驚くべきスピードで這い上がった長倉幹樹。目の前の勝利にこだわり、結果を残し続けてきたアタッカーが、激動の2シーズンを含む自身のキャリアと躍進の理由を語る。

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 シーズン半ばでチームを離れ、プロの舞台に挑戦するという自らの選択を伝えた際の東京ユナイテッドFC関係者の反応は、想像以上に温かいものだったという。

「オファーをもらえたのはもちろん嬉しかったですし、移籍を伝えた時に東京ユナイテッドFCの選手・スタッフの方々から背中を押してもらって、温かい気持ちになりました。

 自分の選択を尊重して、シーズン半ばでチームを離れる判断を許してくれたクラブに感謝していますし、これまで自分に関わってくれた人たちのためにも群馬で絶対に活躍する、という気持ちで移籍しました」

 オファーをもらえた要因は、関東1部リーグで素晴らしい成績を残していた面もあるが、やはり浦和レッズユース時代の恩師の大槻氏がザスパクサツ群馬の監督を務めていることが大きかった。

「移籍が決まる時に、大槻監督がユース時代と同じように『お前はやれるぞ』と言ってくれた。その言葉が、その後の自信になりました」
 
 加入当初は「強度や技術でレベルの違いを感じた」というが、練習から高い強度で臨んで徐々にフィットすると、リーグ戦6試合に出場して2得点をマーク。負傷もあり出場数は伸びなかったものの、シーズン途中での加入かつプロ初挑戦という状況で早くも実力を示し、チームのJ2残留に寄与した。

 真価を示したかった2年目の今季は指揮官の信頼を掴み、開幕から先発出場。持ち前の駆け引きと果敢な仕掛けで順調に得点を重ね、夏までに5ゴールを記録した。

「チームが連勝をできたことで勝癖が付き、好循環が生まれました。そのなかで大槻監督が信頼して使い続けてくれたので、結果を残せたんだと思います」

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