成熟度を高めたい板倉&冨安のCBコンビ。谷口、町田、伊藤洋を含め、「誰と組んでも同じようにプレーできるように」

2023年10月12日 元川悦子

多彩な組み合わせ、3バックのトライ

板倉(左)と冨安(右)。CBコンビで目下のファーストチョイスだ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 日本代表のカナダ戦(10月13日)が迫ってきた。

 11日の段階で練習に合流できていないのは、三笘薫(ブライトン)に代わって初選出されながら、帰国早々に体調不良を訴えた奥抜侃志(ニュルンベルク)1人。この日は伊藤洋輝(シュツットガルト)も腰の張りで室内調整を強いられたが、それ以外の24人はプレー可能な状態と見られる。

 三笘や鎌田大地(ラツィオ)ら攻撃陣の主力が揃って不在ということで、今回は前線の陣容が1つの注目点と言える。その傍らで、守備陣、特にCBに関しては計算できる面々が揃っている。森保一監督は多彩な組み合わせ、3バックのトライなど様々なチャレンジが可能だろう。

 3月の第二次森保ジャパン発足時から、最終ラインの軸を担っている板倉滉(ボルシアMG)と伊藤洋輝、6月シリーズから復帰した谷口彰悟(アル・ラーヤン)は合宿開始日の9日から今回の活動に参加。9月シリーズで完全復活を強烈に印象づけた冨安健洋(アーセナル)も、11日から全体練習に合流した。

 帰国が遅れた町田浩樹(ユニオンSG)は11日時点で別メニュー。カナダ戦の先発は少し厳しいかもしれないが、17日のチュニジア戦を含め、2試合のどこかではプレーできるはず。彼らのコンディションを勘案しつつ、指揮官はCBの組み合わせを模索している模様だ。

 もちろんベースになるのは、9月のドイツ戦で久しぶりのコンビ結成が実現した板倉・冨安である。
 
「ドイツ相手に個々で負けず、人数をかけずに守れるところにトライできた。あれだけハイラインでずっとステイし続けられたのもポジティブ。トミの機動力を含め、ディフェンス陣の運動量がないと守れなかったですけど、それを見せられたのはすごく良かったと思います」

 板倉はドイツ戦後に、冨安復帰の効果を強調していた。A代表では2人が一緒にプレーする機会は少なかっただけに、より時間を重ねて細かい連係面をすり合わせておきたいところ。11月からスタートする2026年の北中米ワールドカップ・アジア2次予選、来年1~2月のアジアカップも視野に入れて、今回もカナダ戦、チュニジア戦のいずれか1試合は2人のコンビを出すだろう。

 ご存じの通り、冨安は今季のアーセナルでは左右のSBが主戦場。本人としては代表でCBの感覚を取り戻し、ブラッシュアップしておきたいはずだ。

 そのためにもできる限り、長い時間でピッチに立ちたいところだが、アーセナルは9月中旬以降、チャンピオンズリーグとプレミアリーグの過密日程を強いられている。過度な負担をかけると怪我のリスクも上がるため、限られた時間の中で自身のテーマに最大限トライすることが肝要だ。

【PHOTO】追加招集の奥抜侃志が練習欠席するも…久保、冨安らも合流し本格トレーニングを開始した日本代表を特集!

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