【セルジオ越後の天国と地獄】サッカー界に“第2、第3の清原”が出ないようにするためになにをすべきか――

2016年02月12日 サッカーダイジェスト編集部

真っ先に思い浮かぶのがマラドーナ。彼もまたスターだった。

サッカー界のレジェンドのひとりでもあるマラドーナは、ナポリ時代に麻薬使用の疑いで1年以上の出場停止処分を受けた。(C)Getty Images

 薬物使用の疑いで逮捕された元プロ野球選手の清原和博氏のニュースが連日、報道されているね。
 
 覚せい剤をはじめとした麻薬の問題は、結局は"お金のあるところ"で起きてしまう傾向が強いように思う。歌手のASKA氏など、芸能人はもちろん、スポーツ選手も金銭的に潤っている有名人にカテゴライズされても不思議ではない。
 
 そうした有名人はいろんな世界との交流があるだろうし、その中で"良くない世界"の人たちとの付き合いが生まれてしまったのかもしれないね。
 
 サッカー界で言えば、麻薬で真っ先に思い浮かぶのが、元アルゼンチン代表のマラドーナだ。ナポリ時代に1年以上も出場停止処分を受けたけど、彼もまたスターと呼ばれる人種のひとりだよね。
 
 当時もこの問題は世間を賑わしたと思うけど、今回の清原氏に関する報道を見ていると、加熱するそれとは裏腹に、どうにも違和感が拭えないよ。
 
 多くのメディアが関係者のコメントを集めたり、いろいろな角度から大々的に取り上げている。それは清原氏がプロ野球選手として偉大な功績を残しているからだろう。ASKA氏の時もそうだ。彼が才能のあるアーティストだから、大きなニュースになった。
 
 でもちょっと待ってほしい。覚せい剤を使用した人が、有名人かどうか、その人がどれだけ素晴らしい成績を残してきたとか、そんなに重要なのか。
 
 もちろん、法律で禁じられている行為をした当人たちが悪いのは間違いない。罰せられてしかるべきだ。
 
 でも、極論を言えば、諸悪の根源は彼らにはない。彼らにそうした行為をさせてしまっている社会に、日本という国に問題があるように思えて仕方がないよ。
 

次ページサッカー界は“お金のあるところ”とは言えないかも。

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