プレミア行きの夢。藤田譲瑠チマが今、STVVでやるべきことが明確に。A代表入りは「チームで結果を出してこそ」

2023年09月30日 元川悦子

フィジカル強化は必須と実感

藤田譲瑠チマ(ふじた・じょえる・ちま)02年2月16日生、東京都出身。東京V、徳島、横浜で活躍し、今夏にシント=トロイデンに移籍。力感あふれるプレーとリーダーシップが魅力のボランチ。写真:元川悦子

 2024年のパリ五輪出場を目ざし、チーム強化が進む大岩剛監督率いるU-22日本代表。彼らはご存じの通り、9月のインターナショナルマッチデー(IMD)期間に、バーレーンで行なわれたU-23アジアカップ予選に臨み、2勝1分でグループを首位突破。パリ五輪のアジア最終予選を兼ねる来年4月の本戦に進んだ。

 藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン。以下、STVV)ら欧州組は当初、本戦はIMD期間外ということで、招集は難しいと目された。しかし、日本サッカー協会の反町康治技術委員長が「欧州組を含めたベストメンバーで構成する」という方針を明言。もちろん、その時のチーム事情にもよるが、彼らも大舞台に挑めることになりそうだ。

「9月のバーレーンの大会は、僕は最初のパキスタン戦に先発フル出場して、最後のバーレーン戦もスタメンでフル出場しました。やっぱりキツかったのは、現地の気候と相手の戦い方。アジアの格下相手ということで、彼らは僕らをリスペクトして、守備ブロックを組んで挑んできました。

 そういったなかで、最後の試合(0-0)は勝ち切れなかった。次の本戦でも同じような戦いをしてくるチームは必ずあると思う。そこでどう崩して点を取っていくのかというのが、今後の課題になってくると思いましたね」と、藤田はズバリ反省点を口にした。

 彼自身も鈴木唯人(ブロンビー)の決定機につながったスルーパスを供給するなど光る仕事を見せながら、結果的には得点という形にはつなげられなかった。
 
「ああいったシーンを決め切れるようになれば、チームとしてもっと楽になるし、勝つ確率も上がると思います。

 移動の空港や機内では、欧州組のメンバーで言葉の壁だったり、海外で結果を出す難しさなどの話をしたりしましたけど、全員がクラブで結果を残していく必要がある。それが代表のレベルアップにもつながると思います」と、藤田自身もSTVVでやるべきことがより明確になったようだ。

 特に外国人選手と局面で互角以上に対峙するためには、強固なフィジカルが重要だと藤田は考えている。というのも、今年の前半に欧州の強豪国と対戦した際、そう痛感させられることが何度もあったからだ。

「特に強烈だったのが、3月のU-22ベルギー戦でマッチアップした8番の選手(アステル・ヴランクス)。彼は昨季、ACミランでプレーしているんですけど、強さが桁外れでしたね。昨年11月のU-21スペイン戦でも16番の選手が凄かった。やっぱり世界に出ればそういう選手がいるんだなと再認識したので、フィジカルの強化は必須だと感じたんです。

 アンダーの頃から代表活動には数多く参加させてもらってましたけど、毎回のように何かしらビックリするような出来事があった。今、ベルギーでやれていることで、いろんなギャップを埋めるきっかけになると思います」と彼は前向きに言う。

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