「殴られる以上のことが待っている」久保建英も指摘した2クラブの強烈なライバル関係。ベティスサポは「イヌイ!僕は好きだったよ」と...【セビージャを巡る旅|前編】

2023年09月30日 江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

「スペインで最も熱いダービー」

熱狂のセビージャ・ダービーでは、両チームがライバル心むき出しで衝突する。(C)Getty Images

 スペインの南西部にあるアンダルシア州は人口で国内1位、面積は2位を誇る。夏は気温が高く日差しが強いため、現地の人に聞くと、シエスタ(昼間にとる休憩)の文化がまだ残っているという。

 そのアンダルシアの州都がセビージャだ。人口は約70万人で、首都マドリードからはAVE(高速鉄道)で約3時間のところに位置する。

 このセビージャには、ともにラ・リーガで優勝経験のあるセビージャとベティスという名門クラブが本拠地を置く。両クラブのライバル関係は激しく、前者は比較的裕福な層、後者は庶民派層が支持していると言われている。

 どちらのファンも熱狂度では国内屈指で、直接対決となるセビージャ・ダービーは「スペインで最も熱いダービー」としても知られる。セビージャのラモン・サンチェス・ピスファン、ベティスのベニート・ビジャマリン。一度は訪れたいスタジアムだ。
 
 そんなセビージャには、サッカー以外にも楽しめる観光スポットが少なくない。街の中心部には、世界遺産のセビージャ大聖堂がある。サン・ピエトロ大聖堂(ローマ)、セント・ポール大聖堂(ロンドン)に次いで、世界3位の規模を誇る教会で、主祭壇、ヒラルダの塔、オレンジの中庭、そして展示されている絵画と見所は多い。

 そのセビージャ大聖堂から徒歩3分ほどのところに、アルカサルがある。ムデハル様式建築の傑作として知られるペドロ1世宮殿や美しい庭園などがある。

 セビージャはフラメンコでも有名で、カテドラルから徒歩5分のところにはフラメンコ舞踏博物館がある。ショーなども行なわれており、観光客に人気のスポットだ。

 カテドラル周辺のサンタ・クルス地区にはバルやレストランが立ち並ぶ。名物のセラニート(セビージャ風サンドイッチ)やガスパチョ(冷製トマトスープ)などを堪能できる。

 カテドラルから、2キロほどの距離にヨーロッパリーグで史上最多7回の優勝を誇るセビージャのホームスタジアム、ラモン・サンチェス・ピスファンがある。公式ストアが併設されているほか、ロッカールームやピッチサイドに入れるスタジアムツアー(12ユーロ)も行なわれている。

 そこから約3キロ南にあるのが、ベティスの本拠地ベニート・ビジャマリンだ。こちらにも公式ストアがあり、スタジアムツアー(12ユーロ)も実施されている。

 ベティコ(ベティスのファン)はアウェーでのダービーの際、このベニート・ビジャマリンから歩いて、サンチェス・ピスファンまで乗り込むという。チームカラーから「緑の行進」と呼ばれるその慣習をひとつ取っても、熱狂度が窺える。

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