90%以上のマッチ率。なぜ町野修斗は新天地でいち早く対応できたのか? 確固たるデータに裏打ちされたキール移籍

2023年09月16日 元川悦子

PKで移籍後初ゴール

今夏にドイツ2部のキールに移籍した町野。開幕から5戦2ゴールと上々のスタートを切っている。写真:元川悦子

 9月の日本代表シリーズが12日に終了し、15~17日の週末から各国リーグ戦が再開する。

 7月28日に開幕したドイツ2部は第6節を迎えている。1部から降格してきた名門シャルケやヘルタ・ベルリンが苦戦するなか、かつて酒井高徳(神戸)がキャプテンマークを巻いたハンブルク(HSV)が勝点13でトップに立っている。

 HSVを追走するのが、勝点12のホルシュタイン・キールだ。これまで一度も1部昇格経験のないドイツ北部の中堅クラブの快進撃は、大きなサプライズ。そのチームを力強くけん引しているのが、今年7月に湘南ベルマーレから赴いた日本人FW町野修斗だ。

 町野は今季の開幕戦となった7月30日のブラウンシュヴァイク戦で先発デビューを飾ると、続く8月5日のフュルト戦で自ら得たPKを決めて、移籍後初ゴールを挙げる。
 
 その後もスタメンで出続け、8月25日のシャルケ戦ではフェルティンスアレアに超満員の観客が集結するなか、町野は左ウイングバックのローテのクロスに鋭く飛び込み、今季2点目をゲット。ここまで5戦2発という好スタートを切っているのだ。
【動画】町野、鮮やかなフィニッシュで今季2点目!
 キールからは熱烈なオファーがあった。町野が明かす。

「キールに来てみて、本当に正解だったなと今、しみじみ感じています。今回の欧州移籍にあたっては、いくつかの候補がありましたけど、とにかくキールは熱心だった。今、欧州では選手獲得の際、選手個々の特徴や情報を入れて、どれだけ自チームのスタイルに合うかどうかを測るデータシステムがあるらしいんですけど、キールにとっての僕は90パーセント以上のマッチ率だったと聞きましたね(笑)。

 契約前にも、クラブの会長とSD、監督、代理人と通訳でオンラインミーティングもしました。彼らはわざわざ映像を作って、僕に求める役割を説明してくれたうえで、『君はそのままのプレーをしてくれればいい』と熱意を持って語りかけてくれた。そこまで言われたら、やっぱり心が動きますよね。迷わず決断することができました」
 

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