ドイツ戦でリバプール遠藤航との差を痛感。25歳の初陣に挑む田中碧がトルコ戦で示すべきもの

2023年09月11日 元川悦子

途中出場から後半ATにダメ押し弾

ドイツ戦でプロ初のバースデーゴールを決めた田中。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 日本代表が強豪ドイツ代表を相手に4-1で快勝し、敵将のハンジ・フリック監督に引導を渡すショッキングな展開になった9月シリーズの初戦。混乱するドイツを尻目に、森保一監督率いるチームは、次なる相手トルコ代表戦に向かわなければならない。
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 彼らは11日にチャーター便で試合が行なわれるヘンクへ移動。中2日の強行日程のなか、最大限の調整を行なって次戦も勝利を目ざす構えだ。

 これだけ試合間隔が短いとなると、スタメンの大幅入れ替えは必須。左足の違和感によって離脱した上田綺世(フェイエノールト)に代わるFWの抜擢は当然だし、前半の2得点に絡んだ伊東純也(スタッド・ドゥ・ランス)やトップ下の鎌田大地(ラツィオ)らも控えに回りそうだ。

 ボランチにしても、遠藤航(リバプール)か守田英正(スポルティング)のいずれか、もしくは両方がベンチとなるだろう。そこで重要な役割を担うと見られるのが田中碧(デュッセルドルフ)だ。

 ドイツ戦では、74分から守田に代わってピッチに立つと、終了間際の後半アディショナルタイムに久保建英(レアル・ソシエダ)からの精度の高いクロスに反応。ゴール前で豪快なヘッドを叩き込み、ダメ押しとなる4点目をゲット。10日が自身の25歳の誕生日だったことから「プロ初のバースデーゴール」と話題になった。しかし、彼は謙虚な姿勢を貫いている。
 
「持ってる男?まあ狙ってはいたんで(笑)。ゴールの価値の高さはわかっていますけど、僕はフォワードではないんで、ゴールじゃないもので何ができるかが大事。それ以上にゲームコントロールだったり、ボールを奪う作業ができた上でゴールを取れれば、より良い選手になれると思います。自分自身の成長に目を向けてやっていきたい」

 確かにピッチに立った約25分間を見てみると、完璧なゲームコントロールができたとは言い切れない部分があった。

 登場から3分後には、三笘薫(ブライトン)からのリターンを受けた瞬間、パスカル・グロス(ブライトン)に寄せられ、パスコースを探している間にボールを失うというシーンもあった。本人は「僕は途中から入る回数が多かった人生じゃないんで、その適応は課題」と反省していたが、判断スピードや相手への対応が遅れたのは事実。そのあたりは遠藤、守田よりも見劣りしたと言うしかない。

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