中井卓大の凄さを感じたR・マドリードの練習場。ラ・リーガの担当者は「日本人選手がスペインで活躍していないとは思わない」【マドリードを巡る旅|後編】

2023年09月08日 江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

カンテラに所属している全選手の写真が

今夏にR・マドリード・カスティージョからラージョ・マハダオンダへレンタル移籍した中井。(C)Mutsu FOTOGRAFIA

 レアル・マドリード、アトレティコ・マドリード、ヘタフェ、ラージョ・バジェカーノと今シーズンのラ・リーガを戦う4チームが本拠地を置くスペインの首都マドリードは、試合観戦外にも楽しめるスポットがある。

 4月に訪れた際は、日程上試合は見られなかったR・マドリードの本拠地サンティアゴ・ベルナベウのスタジアムツアーに参加。ただ、現在は改築工事中ということもあって、トロフィールームとスタンド見学だけの簡単なもので、選手のロッカールームや会見場などは見られなかった。その分、25ユーロから15ユーロへと格安になっていた。

 そのサンティアゴ・ベルナベウには、公式ショップが併設されている。ここは品数も充実しており、試合日ではないにもかかわらず、賑わっていた。

 スペインサッカー連盟の本部やスペイン代表のトレーニングセンターがあるシウダー・デル・フットボール・デ・ラス・ロサス内のスペイン代表博物館も見学した。

 スペイン代表の歴史を振り返る展示物のほかに、レアル・マドリード時代のセルヒオ・ラモスが優勝パレードの際にバスから落として壊したコパ・デル・レイのトロフィーなども置かれている。その時はまだなかったが、ここに女子ワールドカップのそれが加わることになるだろう。男女でW杯を制したのは、ドイツに次いで2か国目だ。
 
 R・マドリードの練習施設「シウダード・レアル・マドリード」も初めて訪れた。広大な面積に11面のグラウンドが広がり、その規模に驚かされる。カフェのある建物に入ると、壁にカンテラ(下部組織)に所属している全選手の写真が貼られており、カスティージャ(Bチーム)に所属する中井卓大のそれもあった。

 その日は、11~12歳ぐらいのチームが練習を行なっていたのだが、GKだけでも4人もいる。もちろんR・マドリードでプレーしているということは、"選ばれた少年"たちだ。途中、振るいにかけられ、また新たなライバルも続々と加入してくる。改めてその過酷さを実感するとともに、カスティージャまで順調に昇格した中井の凄さを感じた。

 出場機会を求めて、今夏に同じマドリードに本拠地を置くラージョ・マハダオンダへレンタル移籍が決定したが、そこでそのポテンシャルを発揮してほしい。時間が許せば、その19歳のプレーを見に行くのもいいかもしれない。
 

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