今季4戦3発。絶好調の久保建英、ドイツ戦は思い切って右FWで先発も一案か。W杯のリベンジを果たしたい

2023年09月05日 元川悦子

W杯のドイツ戦は前半のみで交代

森保Jでの活躍にも期待が高まる久保。現地ではファンに笑顔を見せる姿も。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 今年3月に発足した第二次・森保ジャパンにとって、9月9日に敵地で行なわれるドイツとの親善マッチは、今年最大の関門と言っていい。

 ご存じの通り、日本は2022年のカタール・ワールドカップで、ドイツ相手に堂安律(フライブルク)と浅野拓磨(ボーフム)の2発で2-1と劇的な逆転勝利を挙げている。世界の舞台で苦杯を喫したドイツは汚名返上に燃えているに違いない。

 ハンス・フリック監督も万が一、日本に連敗するようなことがあれば、進退を問われるのは確実。それを回避すべく、貪欲に勝ちに来るはずだ。完全アウェーのなか、日本は底力を試されるのだ。

 ビッグマッチに向け、森保ジャパンのメンバー26人は4日に試合会場のヴォルフスブルクに集合。同日夕方には全員で初練習を行なった。

 この日は三笘薫(ブライトン)や鎌田大地(ラツィオ)、田中碧(デュッセルドルフ)ら10人が名波浩コーチらの指導のもと、負荷の高いボール回しなどを精力的に消化。他のメンバーは軽い走りのみで切り上げた。

 2日のグラナダ戦で2ゴールを挙げた久保建英(レアル・ソシエダ)は後者のグループ。伊東純也(スタッド・ドゥ・ランス)や前田大然(セルティック)らと談笑しながらピッチを歩く姿が見受けられた。練習前にも熱心に見守る日本人サポーターに繰り返し笑顔で挨拶をするなど、本当に機嫌が良さそうだった。

 それもそのはず。久保は今季スペイン1部で開幕から全4試合に先発。3ゴール・1アシストという好スタートを切っているのだ。
 
 8月25日のラス・パルマス戦後には筋肉痛で全体練習に合流できない日が続いたというが、そんなアクシデントを一切感じさせないパフォーマンスをグラナダ戦で披露。自身の2得点ほか、相手のオウンゴールを誘発するなど4ゴールに絡む大活躍で見る者を大いに驚かせた。

 これだけのインパクトを残している久保を、森保一監督は今回、どのように使うつもりなのか...。そこはドイツ戦の大きな注目点の1つと言っていい。

 カタールW杯のドイツ戦を今一度、振り返ってみると、久保は4-2-3-1の左サイドで先発しながら、守備に忙殺され、前半45分間で下げられるという屈辱を味わった。ミラクルな逆転劇が起きたのは、自身がピッチを去った後。ベンチで戦況を見ながら、本人は強い危機感を覚えたに違いない。

 W杯後の代表では、4-2-3-1のトップ下、4-3-3の右FWや右インサイドハーフなどで起用されているが、久保の定位置が明確になっていないのは確かだ。

 実際、トップ下の場合は鎌田がいるし、右FWには日本屈指の快足ウインガー伊東が陣取っている。右インサイドハーフも堂安やボランチを本職とする守田英正(スポルティング)のような選択肢があるだけに、久保が絶対的というわけではない。

【PHOTO】久保、三笘、伊東らタレント勢揃い!ドイツ・ヴォルフスブルクにてトレーニングを開始した日本代表を特集!

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