【移籍専門記者コラム】シティ、マドリー、バルサを軸とするポグバ争奪戦。「1億ユーロの男」はどこへいく?

2016年01月19日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

ユーベは交渉のテーブルにつこうという気配すら見せていない。

昨夏から続くポグバ争奪戦は、今夏にさらに激化しそうな気配。はたして、この新しいフェノーメノの行き先は?(C)Alberto LINGRIA

 だれもがポール・ポグバを欲しがっている。だが、だれも手に入れることができない。実際、今までのところすべてのオファーはにべもなく断られており、ユベントスは交渉のテーブルにつこうという気配すら見せていない。
 
 そしてなにより、ポグバ自身にその気があるようには見えないのだ。ここまでもっとも本気で獲得に乗り出したのはマンチェスター・シティだった。昨年7月にトリノまで足を運んで、ポグバの自宅を訪れたのだ。代理人のミーノ・ライオラも、もちろん同席していた。シティは彼らが望むだけの条件を提示する用意があったが、話は始まりすらしなかった。
 
 これからの数か月で状況が変わるかどうか、まずは見守ろう。ジョゼップ・グアルディオラの下でプレーするという魅力的なアイデアに、心が揺れ動くかもしれない。その場合、ペップの新天地となる可能性が高いシティ行きが再浮上するだろう。

移籍専門記者による強化部門解説|マンチェスター・シティ編「ペップ招聘を狙う元バルサ・ペアが取り仕切る」

 ただ、「仮にユベントスを去るならば、もっと格式の高い伝統あるユニホームを着たい」というのがポグバの望みだ。つまり、レアル・マドリーかバルセロナである。
 
 マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長はこれまで、ポグバ獲りに本気で乗り出したことがないが、ジネディーヌ・ジダンの監督就任によって風向きが変わりつつある。この同胞を気に入るジダンは最近、今後のキャリアについてどんな見通しを持っているか、電話で本人に訪ねたという。

移籍専門記者による強化部門解説|レアル・マドリー編「相変わらずペレス会長のワンマン体制だ」

 一方、バルセロナのほうはあらゆる手を尽くして獲得の可能性を模索してきた。なかでも、もっともその気だったのがジョアン・ラポルタだ。15年夏のバルサ会長選挙で落選したため実現には至らなかったが、その公約にはポグバの獲得が含まれていた。

移籍専門記者による強化部門解説|バルセロナ編「今後は元ミランSDの存在感が高まる可能性も」

次ページ年俸と移籍金の高さが最大の問題だ。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事