ラツィオ加入の鎌田大地、新天地での起用ポジションは? 戦術家サッリのサッカーはどんなスタイル? フィットできるのか

2023年08月05日 片野道郎

「セカンドチョイス」の中からベストの選択肢を選んだ

ラツィオ加入が正式に決定した鎌田。(C)Getty Images

 鎌田大地のラツィオ入りが決まった。8月3日にローマ入りすると、翌日にかけて行われたメディカルチェックを問題なくクリアし、4日午後に契約書にサインした。

 アイントラハト・フランクフルトとの契約をこの6月で満了してフリーとなった鎌田は、昨シーズン終了時点ですでにエージェントがミラン、ドルトムントなどと交渉に入っており、その中でもミランが第一候補と伝えられてきた。

 しかしその後、ミランの強化責任者だったパオロ・マルディーニが自身の権限や強化戦略をめぐるオーナーとの意見対立から解任され、合意目前と報じられた鎌田との交渉も見直しに。その後も鎌田側はミランに優先順位を置いて話し合いを続けていたものの、2週間前には決裂と報じられた。

 鎌田にとってラツィオ入りという決断は、「ファーストチョイス」だったミラン行きの可能性が消えた後、いくつかあった「セカンドチョイス」の中からベストの選択肢を選んだ結果と見ることができるだろう。

【画像】ラツィオのマフラーをした鎌田大地
 そのラツィオは、イタリアの首都ローマに本拠地を置くセリエAの有力クラブのひとつ。クラブの「格」としては、ユベントス、ミラン、インテルという3大メガクラブに続き、ナポリ、ローマ、フィオレンティーナと肩を並べてビッグクラブ勢の一角を占める存在だ。

 昨シーズンは、就任2年目のマウリツィオ・サッリ監督の下で勝点74を挙げ、勝点90で独走優勝したナポリに続く2位でセリエAをフィニッシュ。4年ぶりとなるチャンピオンズリーグ出場権を勝ち取った。

 64歳のサッリ監督は、イタリアを代表する戦術家のひとり。2015年から18年まで率いたナポリで、シンプルなショートパスで素早く前後にボールを動かすシステマティックなビルドアップと、流麗なコンビネーションを駆使した崩しによる美しい攻撃サッカーで注目と評価を集めると、18-19シーズンにはチェルシーでヨーロッパリーグを制覇、20-21シーズンに率いたユベントスではスクデット(セリエA優勝)を勝ち取っている。

【画像】6番のユニホームを手にした鎌田とラツィオ会長の2ショット

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