「クボはとても好青年。驚いたのが...」“宿敵の街”で久保建英との2ショットを見せてきたのは?「奇跡のチーム」の練習場ではGKに注目【ビルバオを巡る旅|後編】

2023年08月02日 江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

街の中心地から15キロほど離れたレサマにある練習場へ

久保(右)が所属するソシエダとビルバオはバスク地方の2大クラブだ。(C)Getty Images

 久保建英の所属するレアル・ソシエダのライバル、アスレティック・ビルバオはバスク人もしくはバスクにルーツのある選手しか入団できないことで知られている。

 そのため、自由に補強はできない。選手が引き抜かれたからと言って、その穴埋めをすぐ探せるわけでない。にもかかわらず、ラ・リーガで2部に降格した経験がないというのはほとんど奇跡に近い。

 何より重要になってくるのは、カンテラ(下部組織)だ。例えば、近年でもGKのケパ・アリサバラガをチェルシーへ引き抜かれた後、カンテラから昇格した現在の正守護神であるウナイ・シモンがすぐに台頭した。後者はいまやスペイン代表でもレギュラーを務めている。

 そのビルバオの練習場は、街の中心地から15キロほど離れたレサマにある。8面のグラウンドを有した立派な施設だ。U・シモンやイケル・ムニアイン、イニャキとニコのウィリアムス兄弟などがここから育っていったのだと思うと感慨深い。
 
 訪れた日は月曜日ということもあって、トップチームのトレーニングはなく、ユース年代が汗を流していた。やはり注目してしまったのがGKだ。サイズのある若者が3人、俊敏な動きを見せていた。名GKを多く輩出してきただけに、U・シモンがビッグクラブへ移籍すれば、彼らが台頭して来てもおかしくはない。

 そんな伝統のクラブのあるビルバオの街は、観光でも有名だ。ぜひ足を運んでいただきたいのが、世界最古の運搬橋で、世界遺産にも認定されているビスカヤ橋だ。中心地からは地下鉄で行くことができる。

 ネルビオン川の河口にあるこの橋は、橋から吊り下げされたゴンドラで、164メートル離れた川の反対側まで車や人を運べるのが特徴。船の行き来を妨げないように、またアーチ状にすると、かなり大きな橋になってしまうため、この形が考案されたのだという。

 橋の上を歩いても渡れるので、行きはゴンドラ、帰りは徒歩で行き来してもいいかもしれない(高所恐怖症の方にはオススメしないが...)。

なぜ本拠地サン・マメスに宿敵ソシエダのロゴが? 出会った少年が久保建英を「嫌い」な理由は...【ビルバオを巡る旅|前編】

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