ベルギーからのオファーを拒否。関口訓充はなぜ仙台に残留したのか。南葛の若手に伝えたい、選手としてのあり方

2023年07月27日 元川悦子

ヤットのインサイドキックに驚愕

関東1部で戦い続ける関口。貪欲に己を鍛え、大好きなサッカーに打ち込む日々を過ごす。写真:松岡健三郎

 2004年にJリーガーとなり、24歳だった2010年にアルベルト・ザッケローニ監督が率いる日本代表に初招集された関口訓充(南葛SC)。

 ザックジャパン初陣となった2010年10月のアルゼンチン戦で初キャップを飾り、11年6月のペルー&チェコとの2連戦にも出場。残念ながらそのまま定着は叶わなかったが、長谷部誠を筆頭に、本田圭佑、香川真司、長友佑都、内田篤人らがひしめくタレント集団に身を投じたことで、大きな刺激を受けたという。

「自分がザックジャパンに行った頃、代表には強烈な個性を持つ本田や真司のような選手が数多くいました。彼らは年齢が近いのに、プレーや考え方を含めて外国人みたいだなと。自分との違いを感じましたね。

 それ以上にビックリしたのが、思ったところにボールが出てくること。特に凄かったのがヤットさん(遠藤保仁)。『自分のタイミングで走っていいよ』と言われて走ったら、ホントにパッとボールが来る。

 インサイドキックがマジ、キレイなんですよ(笑)。トラップしやすいし。あれはホントに驚いた。あんなにキレイなキックを蹴れる選手は他にいないと思います」と、関口は名パサーとの共闘に胸をときめかせたという。
 
 2011年冬には岡崎慎司も海外移籍に踏み切り、大半の代表の主力が欧州組と言ってもいい状況になった。しかしながら、関口にとって日本を離れることは、まだまだハードルが高いという認識があったようだ。

「あの頃は、代表に入って活躍しなければ、海外へ行くのは難しい時代だったと思います。だけど、今は代表どころか、Jリーガーとしてあまり実績のない10代の若い選手でも海外へ行けるようになった。選択肢が広がったのは確かです。

 そういう変化があったけど、僕自身はやっぱり日本で追い込めるだけ追い込んで力をつけることが先決。その過程が非常に重要なんです。焦って海外へ行かなくても、今いる環境でできることは、たくさんある。本当に力があれば、いつか必ず外へ出るチャンスは訪れると思うし、やるべきことをやってからでも遅くはないのかなと考えています」

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