酒井宏樹の後釜になれるか。拓殖大の大型SB関根大輝が掲げる2つの目標。U-22代表の欧州遠征にも意欲「ビルドアップを一番見てもらいたい」

2023年06月09日 安藤隆人

持ち前のインテリジェンスとセンスですぐに順応

大型サイドバックとして将来を嘱望される関根。25年の柏入りが内定している。写真:安藤隆人

 187センチのサイズがあって、足もとも上手い右サイドバック。拓殖大3年生の関根大輝は空中戦の強さはもちろん、静岡学園で磨かれた技術とパスセンス、そしてスピードを駆使して、サイドからの突破や中央に入ってビルドアップに関わり、フィニッシュワークもできる万能型サイドバックとして今、注目を集めている。

 5月11日には2025年シーズンからの柏レイソル入りが内定。同24日にはルヴァンカップの鹿島アントラーズ戦でフル出場し、プロデビューを飾った。

「最初にオファーくれたチームに行きたいと僕の中で決めていた」

 関根は早い段階での柏入りの真意をこう口にした。静岡学園時代はセンターバックとしてその才を発揮していた彼は、今後の伸び代が期待される存在として拓殖大に進んだ。

 すると1年次の関東大学サッカーリーグ1部の後期から、前への推進力とビルドアップの上手さを評価されて右サイドバックにコンバート。これまで一度もやったことがなかった新天地で、持ち前のインテリジェンスとセンスを持ってすぐに順応した。
 
 ここから『伸び代十分の大型サイドバック』として希少価値が一気に増したことで、周りの環境は大きく変わった。おそらく柏以外でも関根の獲得に動こうとしていたクラブは多くあっただろう。

 先に動いたのが柏であったが、もう少し待てば他のJ1クラブからもオファーはあったに違いない。だが、関根は柏入りを即決した。

「もちろん『早すぎるのではないか』と周りからは言われましたが、仮に何個もオファーが来て、選択肢が増えることで、逆に迷って後悔したりすることが嫌でした。1つしか選択肢がないなかで決めてしまえば、もうそこで頑張るしか道はなくなるので、そのほうが自分にはあっていると思って、すぐに返事はしました」

 打算的な考えは一切なく、縁を大切にした。覚悟を持って決断したことで、今の彼に「こうしておけば良かった」という思いは一切ない。

「レイソルと大学で結果を出すしかない。もうやることははっきりしているので、自分のベクトルを向けられています」

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