驚かされたソシエダの練習場。育成責任者は久保建英の弟・瑛史について「我々は満足している」と…【サン・セバスティアンを巡る旅|後編】

2023年06月01日 江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

「エイジもまだこれからの選手だが…」

ソシエダの下部組織を統括するイリアルテ氏。(C)SOCCER DIGEST

 久保建英がプレーするレアル・ソシエダの試合を観戦するなら、ぜひ練習場の『スビエタ』にも足を運んでみてはいかがだろうか。トップチームの練習は原則非公開とはいえ、選手に出会えるチャンスもあるし、何より7面のグラウンドを有するその設備は一見の価値があるからだ。

 ソシエダといえば、トップチームに占めるカンテラーノ(下部組織出身者)の割合が多いことで知られている。育成部門を統括する責任者であるルキ・イリアルテ氏は、その最大の理由を地域のクラブとの連携――優秀な子供がソシエダに集まるようにシステム化されている――を挙げていたが、もちろん選手を集めるためにはハード面の充実は不可欠だ。

『スビエタ』は街の中心からは離れているものの、タクシーを使えば、15分ほどで到着する。訪れたのは試合翌日だったため、この日はトップチームの練習はなし。日本でいう高校生年代が地元クラブと試合をしていた。
 
 このゲームを見ているだけでも、ソシエダの選手たちの技術が高いことに驚かされる。フィジカルにまかせてプレスを掛けてくる相手をパスワークでかわし、得点を重ねて行く。相手監督は選手に激怒し、罵声を浴びせながらボールを蹴り飛ばしたりしている。どの国にも、選手を恐怖で支配しようとする指導者はいるものだ。

 練習場のグラウンドのスタンドにちょっとした売店があり、軽食や飲み物などを売っていたのにも少々驚いた。両チームの選手の家族など50人ほどが観戦に訪れており、利用する客も少なくなかった。

 ちなみにトップチームでプレーする久保の弟・瑛史も、ソシエダのU-16でプレーしている。イリアルテ氏は、その瑛史について、次の様に評価していた。

「ここに来る選手で完璧な選手はいない。エイジもまだこれからの選手だが、よくプレーしているよ。技術がとても高く、精神的にもしっかりしている。メンタルが強く、どんどん成長していて、我々は満足している」

 タイミングが合えば、練習や試合をする姿が見られるかもしれない。

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