「むしろ、良い経験値になった」神戸DF山川哲史が劣勢の柏戦をポジティブに捉えた理由。課題のプレスに対する解決策は?

2023年05月21日 野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

「映像を通してチーム全体で振り返っていきたい」

守備の要として全試合にフル出場している山川。写真:梅月智史

[J1第14節]柏1-1神戸/5月20日/三協フロンテア柏スタジアム

 ヴィッセル神戸は5月20日に敵地で柏レイソルと対戦。24分に大迫勇也のゴールでリードしたが、66分のオウンゴールで追いつかれ、1-1で引き分けた。

 シュート数では相手の13本に対して、わずか3本。大迫の先制弾以降は、1本も打てなかった。試合を通じて劣勢を強いられた一戦で、山川哲史はセンターバックの一角でフル出場。対人の強さや積極的に前に出て相手を捕まるプレーで、役割を全うした。

 神戸下部組織出身の25歳は、筑波大学を卒業後の20年に神戸でプロデビュー。2年目から頭角を現して、21年は29試合、昨シーズンは28試合に出場して1得点。今季は、センターバックのポジションを掴み、フィールドプレーヤーではチーム唯一のフルタイム出場を果たしている。

 いまや守備の要になっているDFは、柏戦を「先制はしたが、試合内容としては全然良くなかったので、特に後半は攻め込まれる時間も多かったし、勝点1を拾った結果かなと捉えている」と振り返った。

 個人の出来は良かったように見えたが、守備面ではチームメイトを称えて、自身については攻撃面の課題を挙げる。
 
「相手に(オウンゴール以外で)点を取らせていないという意味では、守備陣としては最後の所を個人だけでなくチームとして身体を張って守れたことは良いことだと思う。ただ、攻撃ではビルドアップの面や狙いとする全体のイメージの共有は足りなかったと思うので、もっとコミュニケーションをとって、次の試合までに改善していきたい」

 吉田孝行監督や選手から、「プレスがハマらなかった」という声が出た。そのなかで、山川は反省点を認めたうえで、ポジティブに捉えているようだ。

「最終ラインが4枚回しや3枚で回してくる相手とやってきたなかで、柏は4バックだった、また違ったボールの動かし方をしてきた。それによって、前線の選手も言っていたが、プレスの掛け方、誰がどこに行くのかハッキリしなかった。むしろ、今日の試合で良い経験値になったと思うので、今後のシーズンにつなげていきたい」

 そして「個人で解決する問題ではないので、映像を通して、チーム全体で振り返っていきたい」と前を向いた。

取材・文●野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

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