尚志のエースストライカー網代陽勇。“2つの意識変化”が結実した今季2点目、自信を手にさらなる変貌を遂げるか

2023年05月19日 安藤隆人

プリンスリーグ東北とプレミアの差に苦戦

市立船橋戦で今季リーグ2点目を挙げた網代。写真:安藤隆人

 5試合で1ゴール。尚志のエースストライカーである網代陽勇の能力を考えたら、物足りない数字だ。

 尚志は今季から、プレミアリーグEASTに昇格したばかりだが、今年のチームは網代を筆頭に、左の高速アタッカー・安斎悠人、ゴール前での勝負強さを持つFW桜松駿、スピードと前への推進力があるFW笹生悠太と、攻撃陣に高校サッカー界でもトップクラスのタレントを有する。

 さらに過去2回、プレミアEASTを経験している仲村浩二監督の下、中盤をコンパクトにした前からのプレスやテンポの良いボール回しなど、サッカーの質が高いチームだ。

 それゆえに3度目のチャレンジとなった今リーグでも、5節を消化時点で3勝1分1敗の2位と好成績を残している。

 その好調なチームでエースは、ゴール以外でのポストプレーや1.5列目、2列目まで落ちてボールを受けて捌くなど、攻撃のボールの収まりどころとして機能している。だが、肝心のゴールは冒頭で触れた通り、ここまで4-0で大勝をした第3節・FC東京U-18戦での1点のみだ。
 
「プレミアはセンターバックの強度が高く、寄せも速くて、自分に対してなかなか自由を与えてくれず、最初は苦戦をしました。徐々にやれることは増えましたが、まだ今も苦戦をしている途中です」

 昨年まで所属していたプリンスリーグ東北とプレミアではレベルの差は明らかに違う。しかも、高校選手権などで名前を売っていただけに、プレミアで対戦するどのチームもスカウティングで網代に対して要警戒をしており、プレーを分析されたうえで戦わないといけない。

 だが、この環境によって網代は自分自身のプレーについて考えることが一気に増えたという。

「昨年と違って、どうしても後ろで耐えないといけない時間がかなり増えたので、前線にいる僕がもっと時間を作ったり、少ないチャンスをものにしたりと、個人でやれることを増やさないとチームにとってプラスにならない」

 こう考えた網代は、「両足からシュートを打てることで仕留められるエリアを増やしたい」と左足のトラップ、シュートを練習から意図的に行なうようになった。

 さらに「今までは1.5列目のプレーを得意としていましたが、最前線で身体を張ってボールを収めたり、センターバックと駆け引きをして一発で裏に抜け出したりする駆け引きの意識が全然足りていない」と、ポストプレーが出来て、かつ獰猛に得点を狙う本格的なストライカーになるために、フィジカルの強化や予備動作の工夫を意識するようになった。
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